第7章 日常編
第32話 記憶
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てことだな…。これで心置きなく、明日から100年クエストと黒龍討伐に迎えるってもんだ!」
アレンの言葉を聞き、その場にいるもの全員がひゅっと息を漏らす。そう、7年後、現代から来た11人は知っているからだ。これから、アレンがどのような道を歩むのか。だからこそ、聡明であるエルザが、タイムパラドックスという危険性を忘れてしまうくらいに狼狽して口を開いた。もしかしたら、今ここで未来のアレンに起こることを話せば、それを防げるのではないかと、そう思ってしまった。
「ア…アレン!違うんだ!アレンは黒龍と戦って…」「エルザ!!!!」
エルザの言葉は、ウルティアの怒号によってかき消される。
「ッ!気持ちはわかるけど、ダメよ…。もしかしたら、歴史が変わっちゃうかもしれない…」
ウルティアの言葉に、エルザだけでなく、皆が苦悶の表情を見せる。そんな様子を見ていたアレンは、何かを察したように微笑を浮かべる。
「なるほど…どうやら、無事は無事でも、紆余曲折…あったみたいだな…」
アレンの言葉に、皆の苦悶の表情は更に深みを増す。だが、アレンはそれを覆すようにケラケラと笑う。
「なるほどな!ここで未来のお前らに忠告されたから、未来の俺は無事に帰れたってわけか…未来の俺は無事だが、無事じゃない…。それを今俺はここで知れた。知れなかったら、本当に死んじまってたかもな、未来の俺は…。命の恩人だな、お前たちは」
アレンの言葉に、皆が目を見開く。それと同時に、魔導書が光出す。皆は慌てた様子でナツの身体の一部に触れる。
「今日、ここで未来のお前らと会えてよかった…。未来の俺によろしくな…」
アレンの言葉に、皆がうっすらと涙を浮かべる。喜びの涙であろうか…何の涙なのかはわからなかったが、知らずと心は満たされていた。そんななか、ミラが小さくアレンへと呟いた。
「黒竜に…空に…用心して…」
そう言い残して、ミラたち未来人は現代に戻っていった。
眩い紫色の光が消えたとき、アレンは魔導書が地面へと落下するのを見る。そして、あることに気付く。
「なるほど…ここで俺が魔導書を拾って、ギルドの倉庫かなんかにおいておくと、今から7年後にエルザ達が過去に飛ぶってことか…。よくできてるな…」
アレンは魔導書をゆっくりと拾い上げ、フェアリーテイルへと向かって歩き出した。
無事に現代へと戻ってきたエルザ達は、自身らに起こった出来事をギルドの皆に報告した。最初は中々信じてもらえなかったが、アレンと接触した話をしたことで、「7年前なら、アレンが覚えてるんじゃねーか!」という話になり、そこにタイミングよくアレンが登場したこともあり、アレンに問いただすこととなった。そこでアレンが、「ああ、覚えてるぞ。最初はエルザ達が急に大きくなったっと思ったからびっくりしたぜ!確かあれは…100年クエストに行く前
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