第7章 日常編
第31話 粋筋
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アレンへ禁忌クエストの依頼が来た当日の日没直後。ミノトはフェアリーテイルでの業務を筒がなくこなし、自宅へと向かっていた。英雄感謝祭の影響もあり、指名の依頼含め、数多くの依頼が殺到している。今日は本来の時間よりも30分程遅くギルドをでた。姉のヒノエは先に帰宅しているため、足早に歩みを進める。アレン宅の隣、一件挟んだ木造の家を借りているため、ギルドからは歩いて1分程度なので、往復は楽なものである。
ミノトは、玄関のカギを開け、中に入る。靴を脱ぎ、リビングへ上がると、ヒノエがテーブルに腰かけてうさ団子を頬張っている様子が見られた。
「あら、おかえりなさい。ミノト」
「ただいま戻りました、姉さま。すぐに夕飯の支度を致しますね」
ミノトは帰宅して早々、荷物を置くと、エプロンを手に取り、キッチンへと向かう。夕飯のメニューはすでに決まっており、無意識に身体がそれを作ろうと動く。故に、他のことを考える余裕が生まれる。
「姉さま、本日は申し訳ありませんでした」
「アレンさんのことですか?まあ、フェアリーテイルの皆さんはとても良い方ばかりですし、お話ししても大丈夫だとは思いますが、時期早々だと思うわ」
「はい、姉さま。痛恨の極みです」
ヒノエは、特に気にした様子ではなかったが、ミノトの表情は暗い。そんなミノトの様子に気付きつつ、ヒノエは気になっていることを口にする。
「ですが、フェアリーテイルの皆さまが知る日が来たとして、それをナツさん達がどう捉えるのか、少し心配です」
「イグニールやグランディーネなる竜は、とても優しく人間に対して友好的だとのお話ですが、私自身はまだ信じられません。ナツさん達も含め、アレンさんがどう思っているのか…」
ヒノエが顎に手を添えながら悩む素振りを見せる。
「そうですね。ナツさん達に関しては、きちんと割り切って関わっているように思いますわ。昔のフェアリーテイルのお話をお伺いする限り、我が子のように接していたようですし」
ヒノエは、ミラから聞いた過去のフェアリーテイルの話などを踏まえて口を開く。
「そこについては、姉さまの言う通りだと、私も思います。ですが、アレンさんの過去を知った時、ナツさん達はどう思うのか、そしてもしアレンさんがナツさん達の探す竜と遭遇した時、どのような決断をするのか…」
ミノトの言葉に、ヒノエは暫く沈黙を作る。最悪のシナリオた思い浮かぶ。
「そうですね…。最悪は滅竜魔導士との対立…引いてはフェアリーテイルの分断や内乱に発展するかもしれません」
「…アレンさんがどう決断しようとも、ナツさん達の重荷になることに変わりはありませんね」
アレンが竜との交流を選ぶのか、はたまた殲滅を選ぶのか、そのどちらをとっても、皆がアレンの過去を知った上であれば、複雑な気持ちとなるのはわかりきっている。加えて当事者のナツ
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