暁 〜小説投稿サイト〜
フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第7章 日常編
第31話 粋筋
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
が霧と黒い雲に覆われており、太陽の光がほとんど届かない。だが、火山活動による溶岩がそこかしこに存在し、視認性はそこまで悪くはないものの、溶岩の熱や足場の不安定さに加えて、高度8000mを超えるために人間にとっては長時間の活動や生存ができないデスゾーンとなっている。
「…さすがの俺も、そんな環境の中ではそう身が持たんな…」
「うむ、それは承知の上だ」
「しかし、このまま野放しにしておくこともできまい」
アレンの強靭さであっても、先の環境の中では、戦闘時間は制限される。加えて敵はアクノロギアよりも強大。勝算はほぼ皆無であった。
「それは理解しているつもりです。ですが、奴を宵闇山で討伐若しくは移動した先で討伐するにしても、調査や作戦を練る必要はあります。私の持ちうる情報では、奴が私より強い可能性すらありうる」
「ふむ、あなたが知る情報とは?」
ベルノが小さく呟いたのを聞き、アレンはゆっくりと自分の持ちうるアルバトリオンの情報を話した。
天災と属性を司る異質な古龍。黒き太陽と言われるほどの力。火・氷・雷・龍の4つの属性を操ること。更に、「エスカトンジャッチメント」という、あらゆる生物の命を一瞬にして奪い去る技を用いることを話した。この話を聞き、評議員一同が、嫌な汗を流したのは言うまでもない。
「まあ、どちらにせよ、この依頼は引き受けましょう。といっても、依頼されなくても奴を討伐することに変わりはありませんが」
「うむ、我々も出来うる限りの協力をしよう」
「そういって頂けると助かります。しかし…」
クロフォードはホッとしたのも束の間、アレンの含みある沈黙に、暫し緊張を覚える。
「フェアリーテイルの解体と引き換えに俺を呼びだしたのは悪手だったのでは?」
「うむ…それほどまでに切羽詰まっていたと理解してほしい」
「はぁ、他にもいくらでも方法はあったでしょうに…」
アレンが呆れたように言葉を発するのと同時に、オークが苦笑いしながら口を開いた。
「じゃが、フェアリーテイルの行動が目に余るのは事実じゃ」
「…返す言葉もありません…、私の方からも、きつく言っておきましょう」
「ふふっ、それで改善するのであれば、とっくに改善しているのでは?」
ベルノが笑いながら言葉を発すると、他の評議院もつられてクスクスと笑い始める。嘲笑の笑いではなく、単純に呆れと可笑しさでの笑いであった。アレンはそんな雰囲気の議長たちを見て、「評議院の雰囲気も悪くはないな」と思ったのだが、評議院の特に上級評議院の雰囲気を変えたのがアレンであるということを、アレン自身が知ることになるのかは神のみぞ知る。

10年クエストや100年クエストでマグノリアの街を不在にしている時以外は、ほぼ毎日のようにギルドに顔を出すアレン。だが、そんなアレンが禁忌クエストの依頼の手紙を受け取
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ