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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第7章 日常編
第30話 驚愕
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死なねーよ、マスター。…とりあえず、今日はもう帰るわ」
アレンは手紙をポケットにしまうと、エルザとカグラの手を振り払うようにして、ギルドを後にした。何人かがアレンを呼び止めるが、アレンは片手をあげて返事をするだけに留まった。そんなアレンの背中を、ギルドメンバーは全員が見えなくなるまで見つめていた。

アレンは、怪訝な表情でフェアリーテイルを後にすると、自宅のベットに倒れこんだ。無造作にテーブルの上に放り投げた3通の手紙が、視界に入り込む。
そのうちの1通の手紙と、食事会でのイグニール達との会合での内容が頭を巡る。その瞬間、アレンの脳裏に、懐かしい記憶が蘇ってくる。幼いアレンに寄り添う、1組の男女。そして、そんな幼いアレンの左右に佇む2人の少女、片方はアレンより身長が高く、片方は小さい。その5人の集団を眺めるようにして微笑むヒノエとミノト。そして、記憶は流れ、それぞれが血を流し倒れこむ描写が浮かぶ。そこに佇みむは絶望の表情を浮かべるアレンと巨大なドラゴン。アレンはそんな記憶をかき消すようにして、仰向けから横向きへと体勢を変える。そうして一つため息をつくと、小さく呟いた。
「ちっ…嫌なもん思い出しちまったな…」
一度掘り返された過去の記憶はそう簡単にかき消すことはできず、更に思いにふける。そうしているうちに、グランディーネが発した言葉がふと脳裏をよぎる。
『よいのですか?あなたは私たちドラゴンを…』
アレンは一度目を閉じ、ゆっくりと目を開く。
「一体、どこで知ったんだろうな…」
そんな風に考えながら、アレンは目を閉じ、暫くその目が開かれることはなかった。

アレンが去った後のフェアリーテイルの酒場。雰囲気は、どんよりとしたものとなっていた。アレンへの禁忌クエスト、三天黒龍の一角であるアルバトリオンの討伐依頼が来たからである。だが何より、自分たちの日ごろの行いによって、アレンに選択の余地を与えない結果となってしまったことが、後悔と申し訳なさを増幅させていた。そんな様子の酒場を見て、リクエストボードにほど近いカウンター裏で腰かけていたミノトが、小さく呟いた。
「…皆さん、あまり自分自身を責める必要はないかと」
ミノトの発言に、ギルドメンバーは一瞬顔を上げたが、再度俯くようにして視線を下におろす。
「…だが、私たちの日ごろの素行が、そのまま弱みとして利用されているのは事実」
「ええ、ナツさんにグレイさんなどはほぼ毎回のクエストで甚大な被害を出されていますい。最近はエルザさんも無駄な被害を出されておりますし、ミラさんも前回のクエストで街を半壊させています。過去の事案、他の方々も含め、あげればきりがないですが、正直に申し上げて、目に余ります」
エルザの言葉を肯定するように、ミノトは淡々と言葉を発する。それを聞き、皆反論の余地がないのか、ぐ
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