第7章 日常編
第30話 驚愕
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前10時にようやく解散となった。アレンは、ミラとカグラと共に、片付けと掃除を終えた後、フェアリーテイルへと向かった。
だが、家を出てすぐに、一緒にクエストへと出かけていたウルとリオンと遭遇する。
アレンと一緒に家から姿を現したミラとカグラに、怪訝な様子を見せていたウルであったが、皆で食事会をしたという話をすると、幾ばくかその怪訝な様子も落ち着きを取り戻す。その後、少し迷ったようにウルがアレンに言葉を発した。
「それなら…アレンこの後少しだけ時間ある?」
「ん?ああ、ギルドに向かおうとしてただけだから、大丈夫だけど、なんかあったのか?」
アレンの言葉に、ウルは少し顔を赤らめる。
「ちょっと2人だけで…大事な話があるんだ…」
そんな様子に、ミラとカグラに雷が落ちたかのような衝撃が走る。
「あ?そうか…わかった場所を移そう。ミラとカグラはリオンと一緒に先に酒場で待っててくれ」
アレンはそう言って、ウルと一緒に街の方へと消えていった。
固まっているミラとカグラに、リオンが仕方ないと言わんばかりに声を掛ける。
「ほら、いくぞ…」
しかし、2人はリオンの言葉とは裏腹に、アレンとウルと追いかけるように街へと歩み始める。
「おい、ウルは2人で話を…はぁ、追いかけるなら、バレないようにすることだ…」
リオンはそんな2人に注意しようとするが、振り返った表情があまりにもすごい形相であったため、諦めて1人で向かうことにした。
「…頑張れ、ウル」
リオンはそう言い残し、ギルドへと歩みを再開した。
アレンは、2人きりで話がしたいということで、ウルと街の路地裏へと入っていった。周りに人がいないことを確認すると、ウルの顔を見て、口を開いた。
「で、なんだよ、大事な話って」
ウルは暫くもじもじとしていたが、意を決したかのようにアレンの胸元へと飛び込む。
「なっ…ど、どうしたんだよ…急に」
「好きなんだ…」
ウルの言葉に、アレンは目を見開いた。
「何を言って…」
「私は…アレンのことがずっと好きだった。初めて会った時からずっと…」
そんなウルの様子を見て、アレンはふっと笑いを浮かべる。
「俺も好きだぞ…ウルのこ…」「違う!」
ウルはアレンの言葉を遮るようにして声を荒げた。急に怒鳴られたアレンは、ビクッと委縮する。
「アレンの好きと…私の好きは…違うんだ…。私は、アレンのことを一人の男として…好きなんだ」
ウルは消え入りそうな声で、呟いた。
「…こんなこと言われても迷惑なのはわかってる。私は死別しているとは言え既婚者…子どもが、ウルティアがいる。だがそれでも…私は…」
ウルの言葉を聞き、アレンはそっとウルの頭を撫でる。ウルは頭を撫でられると同時に、涙の溜まった目でアレンを見つめた。
「…ありがとう」
アレンの言葉に、ウルは目を
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