第二章
[8]前話
すぐにお祓いをした、すると女性はすぐに元気になったが。
ここでだ、透谷は女性に言った。
「人を呪わば穴二つですよ」
「えっ、まさか」
「さて。ですがもう大丈夫です」
女性の驚きの言葉には答えずだった。
透谷はこれで終わりとした、そしてだった。
お礼を受け取ってから帰ってもらった、そして康成に話した。
「あの人がお参りをしていたんだ」
「そうなんだ」
「あの人は三丁目の水谷さんだな」
「そういえば何処かで見た感じだね」
「市の催しでよく会うからな」
それでというのだ。
「知っているんだ」
「神社とかお寺って催しでよく使うしね」
「お祭り関係なら何でもな」
「それで催しには絶対に関わるし」
「そこで知り合ってるんだ、あの人はお姑さんと仲が悪くてな」
「ああ、嫁姑だね」
今の父の言葉を聞いてだ、息子もわかった。
「そういうことだね」
「ああ、それでな」
「お姑さんを呪って」
「やっていたんだろうな」
「成程ね」
「しかし人を呪うとな」
ここで父は息子に真剣な顔で話した。
「穴二つって言うだろ」
「それでだね」
「お姑さんは無事だったみたいだがな」
「本人さんがだね」
「呪いを受けたんだ」
「自分がなんだ」
「あれだろ、誰か見ていたんだ」
丑の刻参りをするそれをというのだ。
「あの呪いは見られたら終わりだからな」
「そう言われてるね」
康成もこのことは知っていて頷いた。
「あの呪いは」
「それでだ」
「自分がなんだ」
「呪い、祟りを受けていたんだ」
「そういうことだね」
「もっとも見られてなくてもな」
それでもというのだ。
「お姑さんがどうなってもな」
「自分もだね」
「どっちにしろ同じだ、呪うとな」
「自分にも返って来る」
「そうなるんだ、そのことを忠告しておいたからな」
その水谷さんにというのだ。
「もうだ」
「大丈夫なんだ」
「ああ、これであんなことはしないさ」
息子に笑顔で話した、そして実際にだった。
もう藁人形は林はおろか神社の敷地内の何処にもなくなった、そして水谷さんも姑との仲は相変わらずだったが元気になった。康成はそれを見て呪いとはどういったものかわかり自分はと気をつけていき父の跡を継いで立派な神主になった。
呪うとそうなる 完
2022・7・26
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ