第二章
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「どうやってこの中に入ってもらうか」
「それを考えるとね」
「ここは食べものがいいかな」
スタッフの一人が言ってきた。
「ここは」
「それを出して」
「ケージの中に置くのね」
「うん、どうかな」
「それがいいわね」
スゼットは仲間の一人の言葉に頷いた、そしてだった。
他のスタッフ達とも話した、それでだった。
自分達が持って来たおやつからチキンナゲットとハンバーガーを出してケージの中に入れた、列車は線路を行き来していて犬が轢かれるかとその都度心配になり一刻の猶予もならないと感じていたので急いだ。
それで食事を入れたケージを犬の近くにおいて自分達は隠れると。
犬は腹を空かせていたのかすぐにケージの中に入って食べはじめた、スゼット達は犬がそうしたのを見てだった。
すぐにケージに駆け寄ってそれを閉じて犬を保護した、そのうえで。
すぐに獣医に診てもらって暫く線路沿いにいてあまり食べていなかった彼の治療をしてそのうえでだった。
雄だった彼をソルジャーと名付け里親を探すとすぐにそれは見付かって引き取ってもらうことになったが。
彼のことを聞いた飼い主は顔を顰めさせてスゼットに言った。
「そんなことは絶対にしないので」
「ずっとですね」
「ええ、この子は家族です」
澄んだ目で約束した。
「一生」
「聞いたわね、もう心配はいらないわよ」
スゼットは飼い主になる男性の言葉を聞いてからソルジャーに笑顔で話した。
「だから幸せに過ごしてね」
「ワンッ」
ソルジャーは鳴いて尻尾を振って応えた、そして後日スゼットは家の庭で楽しく遊ぶ彼の姿を飼い主からメールで送ってもらった。
その後でだ、スゼットはネットで知り合ったニナに言った。
「幾ら何でも線路沿いに捨てるなんて」
「捨てるだけでも許せないのに」
「そんなことするなんてね」
「言語道断よ」
「全く以てそうよね」
「許せないわ」
「こんなこと二度とあって欲しくないわ」
こうニナに言うのだった。
「本当にね」
「全くよ、命は命よ」
「どんな命でも大切にして欲しいわ」
「危ない場所に放置しない」
「それは常識よ」
「全く以てね」
二人でこうした話をした、彼等は救われたがそれでもだ。ああしたことは二度と起こって欲しくないと二人で心から思うのだった。
線路沿いで保護されて 完
2022・7・26
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