第7章 日常編
第29話 親睦
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が買えるくらいかな?でも、エルザの目に比べたら安いもんだろ…」
「…そんな高価なモノをポンポンと、あんたってホントにすごいわね…」
アレンの言葉に、皆が更なる驚きを見せるが、シャルルが呆れたように口を開いた。
「ははっ!そんなポンポンとやってるわけじゃないさ。いにしえの秘薬も、守りの護符も、怪力と忍耐の種も、お前らだから託したんだよ」
その言葉に、皆がへへっと照れたような表情を見せる。
「でも、いにしえの秘薬?で失った目も治せるなら、手や足を失っても治せるの?」
「まあ、死んでなければ大抵はな」
「そんな薬があるなら、安心だな」
ミラの質問にアレンが答えると、カグラが感心したように言葉を発した。
「あー、いや…」
しかし、アレンが頭を掻きながら言葉を詰まらせていたので、皆が首を傾ける。
「どうかしたの?」
「もうないんだよ、いにしえの秘薬…エルザに使ったのが最後の一本でな…」
その言葉に、ミラがすぐに「ご、ごめんなさい」と俯く。エルザとアレンに申し訳ないという気持ちがあったのだろう。
「いいんだ、ミラ…。そんなことより、アレン…そんな貴重なものを…」
「あー、ミラもエルザもそんな顔するなよ…言ったろ?エルザの目に比べたら安いもんだって」
アレンは頭を掻きながら答えた。
「し、しかし…」「それでも…」
エルザとミラは今にも泣きだしそうに表情を見せていたが、アレンがその2人の頭に優しく手をのせる。
「いいって言ってんだろ…使うべくして使った、それだけだ」
「アレンの言う通りだぜ。それに対してどう報いるかじゃねーのか?」
アレンの言葉にナツも2人を励ますように声を掛ける。エルザとミラは、アレンとナツの言葉を聞き、目尻に溜まった涙を指でふき取り、笑顔を見せた。
「ふふっ。そうだな…大事なのはこの大恩をどう返すか、だな」
「そうね…」
「やはり、アレンはすごい男だな」
リリーが感銘を受けたように言葉を発すると、先ほどまでのどんよりとした空気が一変し、盛り上がりを取り戻る。
その後も子どもの頃の出会いを皆で語り合い、皆が懐かしそうにしたり、驚きながら話を聞いたりなどして楽しんでいた。
余談だが、アレンがウルティアとの出会いを話したときに、「いやー、ウルティアに関してはお前を殺してやるー!って飛び掛かってきてなー」という話だったために、皆がウルティアに怪訝な表情を見せ、アレンに謝りつつも焦りながら皆に事情を説明していたのは言うまでもない。
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