第7章 日常編
第29話 親睦
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ヒッ!俺も聞きてーな」「私もグレイ様の昔を聞きたいですわ!」
グレイが一瞬ためらいを見せたが、それに被せるようにガジルとジュビアが言葉を放つ。
皆は気恥ずかしそうにしていたが、「おう、いいぞ」とアレンが乗り気だったこともあり、正面切って止めることもできず、むずむずとした気持ちを持ちながら、承諾した。
「俺が最初に出会ったのはエルザとジェラールでな、まあ、そのあんまりいい場所で出会ったわけじゃないんだが、その時俺は重傷でよ、2人に助けて貰ったんだ。んで、2人がフェアリーテイルに行きたいっていうんで、3人で旅をしながらフェアリーテイルに行ったんだったな」
アレンの言葉に、エルザとジェラールは目を見開いた。
「何を言っているんだ、助けられたのは、私たちの方ではないか…」
「え?どういうことですか?」
エルザの言葉に、ウェンディが口を開いた。ジェラールはエルザの方を見る。話してもいいのか、悩んだからだ。エルザはジェラールに小さく笑いかけ、頷く。それを見たジェラールが意を決して口を開く。
「俺とエルザ…それに英雄感謝祭で出会ったシモンとミリアーナの4人は楽園の塔で奴隷として働かされていたんだ」
皆の表情に、驚愕の表情が生まれる。
「おい…ジェラール…」
「いいんだ、アレン」
アレンは、2人の過去を蒸し返さないようにと割って入ったが、エルザが小さく呟き制止する。
「そして、そんなある日に、重傷を負ったアレンが楽園の塔がある島に流れ着いてな…俺たちのいる独房にアレンが投げ込まれた。だが、アレンはそんな傷をものともしないほどの回復力を見せ、楽園の塔を破壊して俺たちを救ってくれたんだ」
余りの過去に、皆は開いた口が塞がらないといった様子だった。
「だが、もう過去のことだ。それに、アレンが私たちを救ってくれた。そして何より…私の右目も…治してくれた」
「目が…見えなかったのか?」
ナツが言いづらそうに声を掛ける。
「潰されたんだ…拷問でな…だが、アレンがくれた薬を飲むとたちまち治ったんだ。…確か…いにしえの秘薬…だったかな」
まさかの告白に、皆の表情は恐怖を滲ませる。ウェンディ、ルーシィ、レヴィに至っては、「そんなことが…」と涙をためていた。
「…無理していうんじゃねーよ…」
アレンが畏怖を含んだ言い方で言葉を発した。だが、そんなアレンにエルザは小さく笑いかけ、口を開く。
「もう、気にしていない。私の心は、当の昔にあなたに救われている。皆も、気にしないでくれ。何より、私もジェラールも、すでに乗り越えたからこそ皆に話しているんだ」
アレンは怪訝な表情を見せていたが、エルザの言葉を聞き、ふっと笑いかける。
「あ、そういえば、…私の右目を治してくれた、いにしえの秘薬、相当高価なモノだったんじゃないのか?」
「まあ、そうだな…。小さな家
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