暁 〜小説投稿サイト〜
フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第7章 日常編
第29話 親睦
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
が、ウェンディが小さく呟く。
「なぜ、アレンさんはこの孤児院に私たちに…」
「むう、シスター、一体この孤児院とアレンはどういう関係なんだ?」
ウェンディの疑問を掬い上げるように、エルザがシスターに言葉を発した。他のメンバーも状況が飲み込めていない様子であった。そんな様子を見て、シスターはふふっと笑って見せた。
「まったく、アレンさんは何もお話しされていないのですね」
シスターはそう言って、この孤児院について話し始めた。
「この孤児院は、アレンさんが私財を投じて作られたものなのですよ」
その言葉に、皆の表情が驚愕のモノへと変わる。
「なっ!」
「これだけの建物を…」
「一体どうして…」
アルザック、ビスカ、シャルルが驚いた様子で声を上げた。
「アレンさんがお優しい方だというのはあなた方もよく知っておられると思います」
シスターの言葉に、皆が肯定の意を表す。
「この施設は、身寄りのない子どもを中心に、その生活を守るもの…。アレンさんは過去に、子どもたちが、罪のない人々が奴隷のように働かされていたのを見たことがあると仰っていました。それをきっかけに、奴隷制というものが珍しいものではないということを知り、この施設をつくるに至った…と私はきいております」
シスターの言葉を聞き、皆の顔に驚きと曇りが見える。特に、エルザとジェラール、ソラノは他の者に比べて更に驚愕の表情を浮かべていた。
「ふふっ…まあでも、自身のことをあまり語らないのは、アレンさんの悪い癖ですね…。この施設の創設者がアレンさんであることは、私と、フェアリーテイルのマスター、マカロフ様しか知りえないことですから」
シスターがそう言い放つと、ナツが息を漏らしながら口を開いた。
「こいつは、子どもたちしっかり遊んでやらねーとな!」
「…ああ、シスター、力仕事なら、俺に任せてくれ」
「わ、私も頑張ります!!」
ナツ、グレイ、ウェンディが真剣な面持ちで言葉を発した。それを皮切りに、他の皆の表情にも驚きから笑顔に変わっていく。
「頼もしいですね…。あ、私が今の話をしたことはアレンさんには内緒でお願いしますね」
シスターはそう言って、18名のフェアリーテイル魔導士たちと孤児院の中へ入っていった。

時刻は夕方。孤児院での仕事を終えたフェアリーテイルのメンバーは、アレンが再び口寄せした鷹に乗って、孤児院を後にしようとしていた。鷹に乗り込んだメンバーは孤児院前に集結している子どもたちに手を振って別れを告げる。
「またなー!!」
「いい子にしているんだぞ!」
ナツとエルザが、大声で聞こえるように放つ。次第に孤児院が遠ざかり見えなくなると、皆は満足そうな顔をして手を振るのをやめる。
「随分と楽しんでたみたいだな」
アレンはそんなメンバーに声を掛ける。
「子どもと遊ぶ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ