第7章 日常編
第29話 親睦
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きらぼうのガジルですらも感心して笑顔が絶えなかったという。
スノードロップ村。他の村と変わらず、農業を主体とする村で、名産品などもない。村の総人口は200名程度であるが、とある大きな建造物に村の人口の50%が集中している。この村唯一の特徴ともいえるその建物にアレン達一行が到着したのはマグノリアを出発してたったの20分であった。
「もう着いたのか!」
「速いものだな」
グレイとエルザが、鷹から飛び降りながら言葉を発する。その後、皆も鷹から飛び降りて地に足をつける。
「この大きな建物は一体…」
「お城みたいね」
ウェンディとシャルルが不思議そうに眺めている。
「ここは孤児院、養護施設だ」
「孤児院?」
「身寄りのない子どもたちが生活する場所だよ」
「んで、なんでこんなところに連れてきたんだ?」
アレンが建造物の説明をすると、ナツが質問をするが、孤児院から一人のシスターが現れた。ふとっちょの壮年の女性が出てくる。
「これはこれはアレンさん、お久しぶりでございます」
「おお、久しぶりだな…。といっても1か月ぶりくらいだけど」
そんなシスターと知り合いなのか、アレンは挨拶を交わす。シスターは後ろのフェアリーテイルのメンバーを見て、驚きの表情を見せる。
「あら、フェアリーテイルの魔導士さんたちですか?ご一緒に来られるなんて、珍しいですね。以前に連れていらしたのは7年前でしたか?」
シスターは1人ひとりの顔を確認しながら言葉を発する。そして、とある2人の人物を見ると、目を見開いて視線を定める。
「あら、もしかして…ジェラール君とウルティアちゃんかしら?大きくなったわね」
「お久しぶりです、シスター」
「ご無沙汰しております」
ジェラールとウルティアがシスターに軽く頭を下げる。
「ふふっ!アレンさんに愛情たっぷりに育てられたのですね!」
シスターの言葉に、2人は恥ずかしそうに目線をそらす。
「いや、大したことはしてやれなかったよ…なんせ7年もほったらかしだったからな」
「いえいえ、愛情は単なる時間ではありません。大事なのは心ですよ」
アレンの言葉に、シスターは笑いながら言葉を放つ。その後、話しを戻すようにアレンに再度声を掛ける。
「それで、こんなにたくさんのお仲間を連れて、今日は何をされにきたのですか?」
「ああ、色々あってな、今日一日、手伝いをしてもらおうと思ってな」
「手伝い?それがお仕置きの内容?」
アレンの言葉に、レヴィが疑問をぶつける。
「そう、孤児院の仕事の手伝いと、子どもたちと遊んでやってくれ。あ、シスター俺はちょっと村の巡回に行ってくるからこいつらの案内と仕事よろしく頼むわ」
アレンはそう言って、そそくさと孤児院を後にした。そんな様子を見届けたフェアリーテイルのメンバーは、ポカーンとしていた
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