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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
黒き侵入者
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逃げ損ねたというか巻き込まれたというか……
 
 いえ、一夏さんが起きるのを待っているんですからある程度は私も惹かれていると考えるのが妥当でしょうか? いえいえいえ! そんな馬鹿な!

 一夏さんは天然だけどちょっとかっこいいというか……とぼけている時もありますけど妙に鋭くて笑顔が素敵でサラッと惚れてしまうような言葉を自然に吐いて女性への気遣いもさりげなくて……

 そりゃあ嫌いではないですよ? 嫌いではないんですけど……
 この3人ほど恋焦がれていると言うわけではなく人として好きという意味でですね……

 ……私は一体誰に言い訳しているんでしょう?

「まあそんなこと今ここで話してもしょうがないわね! 一夏が起きるまで抜け駆け無し、正々堂々の勝負よ!」

「望むところですわ!」

「上等だ!」

「ま、話が纏まったところで」

 そう言って凰さんが立ち上がる。
 いつの間にか話が纏まってしまったようです……詰んだ、フォーエヴァー私の平穏な学園生活……

「どこへ?」

「お手洗い。一々聞かないでよ、もう」

 凰さんがそう言って廊下の角に消える。そこからは特に会話はなく、黙々と時間が過ぎていくだけ……
 10分ほど経ったでしょうか。セシリアさんが立ち上がりました。

「セシリアさんもお手洗いに?」

「え? え、ええ。そうですわね。ちょっと行ってきますわ」

 そう言ってセシリアさんも廊下の角に消える。
 そういえば……

「凰さん遅いですね」

 女子のトイレは長いとはいえ時計を確認すると確実に10分を過ぎています。

「まさか……! カルラ、行くぞ!」

「え? は、はい」

 箒さんが何か気づいたようです。私の先に立って廊下を走るくらいの勢いの歩きで先ほど凰さんとセシリアさんの消えた廊下に突入していきます。
 そういえばこの廊下って一夏さんの病室前に続く廊下でしたね。
 それで私も気づきました。

 そうだとしたら呆れるしかないんですけど……
 セシリアさんと凰さんの声が聞こえました。予想通り一夏さんの病室からですね。

「一夏さんが起きるまで抜け駆けは無しと決めたでしょう!」

 どうやら二人とも完全に抜け駆けしようとしていたみたいです。

「そういうお前も……私とカルラに黙って抜け駆けしようとしていたな」

 廊下の箒さんから掛けられた声にセシリアさんがこちらをゆっくりと振り向きます。ていうか箒さん! 今私たちって言いましたか!?

「そ、それは……」

「ですから私はちg」

「ああ、もう! 3人とも出て行ってよ! 一夏は私の幼馴染なんだから!」

 だれか私の言葉を最後まで言わせてくださいってば!

 そう言い
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