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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
黒き侵入者
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……」

「…………………………」

 一瞬の沈黙と共に織斑先生がそのコーヒー(?)を山田先生に突き出しました。

「山田先生、コーヒーをどうぞ」

「え……あの……これ……コーh」

「どうぞ」

「いえ、これコーヒーっていうより……」

「ど・う・ぞ」

「い、頂きます……」

 ああ、山田先生泣きそうになってますよ。でもあれ飲めるんですかね? どっちかと言うと食べるって言った方が合ってる気がします。
 うん、でも顔に出さないだけでやっぱり焦っているのは織斑先生も同じみたいですね。
 そんなやりとりの間でも画面では未だにアリーナ内部で激しい攻防が行われています。

「先生! 私とセシリアさんにISの使用許可を!」

「そうですわ! 私たちならすぐにでも出撃できます!」

「そうしたいところだが……これを見ろ」

 そう言って織斑先生がアリーナのステータス状態を表すモニターを映してくれました。

「遮断シールドがレベル4に設定!?」

「しかも扉が全てロックされて……!?」

 そんな無茶苦茶な……遮断シールドレベル4、通常のISの装備では突破できないレベルまでシールドのレベルが引き上げられています。外部との行き来は全て出来ないと、そういうことですか。

「あの所属不明機の仕業……と考えるのが妥当ですね」

「おそらくな。これでは脱出も救援も行うことができない」

「で、でしたら緊急事態として政府に救援を……!」

「既に行っている。今も3年の精鋭がシステムクラックを実行中だ。遮断シールドを解除できれば、すぐに教師の部隊が突入する」

「結局……待っていることしか出来ないということですわね」

「私たちなら簡単な連携くらいならできるのに……歯がゆいですね」

「そういえばお前たちはあいつの訓練に付き合っているんだったな。何も訓練してない凰よりはマシという程度だが」

 そう言っていて気づきました。箒さんが手をずっと握り締めて画面を食い入るように見つめています。
 専用機がない箒さんは例え遮断シールドがなくなっても助けに行くことが出来ません。
 大切な人が危ないのに、絶対助けられないという現実。この中では箒さんが一番辛いかもしれませんね。

 何分経ったでしょうか? 10分? 1時間?
 いや、実際はほとんど経っていないと思いますが、それだけ時間が長く感じてしまいます。

 一夏さんが何か思いついたのかAピットの正面にわざわざ来て、砲撃を回避しました。

ドン!

「きゃあ!」

 それと同時に凄まじい轟音が管制室に響き渡ります。

「あの馬鹿者が……」

 織斑先生がほとんど分からないくらいの角度で口の端を上げ、微笑んだのを
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