第二章
[8]前話
「実際にな」
「じゃあふわりも長生きか」
「ああ、十年以上は普通にだよ」
「生きられるんだな」
「それじゃあ私達もね」
ここで妻の百合子も夫の洋介に言ってきた。
「そのつもりでね」
「家族として一緒にいないといけないんだ」
「そうよね」
「小さいから子犬に思えるだろ」
「ええ、そう言われるとね」
「けれどふわりはもう四歳だからな」
その年齢になったというのだ。
「もう大人だぞ」
「犬だと」
「そうだ、そしてこれからもな」
「歳を取っていくのね」
「それで長生きするんだ」
犬としてはというのだ。
「トイプードルはな」
「そうなのね」
「その心構えで一緒にいるもんだ」
「十年以上は生きるね」
「トイプードルは長生きの種類だってな」
犬の中でもというのだ。
「勿論あの馬鹿共みたいに子供が出来て興味がなくなってだ」
「ずっとケージに入れて吠えるからポイなんてね」
「死んだら餓鬼になる連中の行いだ」
「そういうことね」
「ああ、だからな」
夫は妻に言った。
「いいな」
「私達はね」
「ずっと一緒にな」
「ふわりが長生きするならするだけね」
「家族として暮らしていくぞ」
「わかったわ」
妻も頷いた、そうしてだった。
洋介がここでケージの中で寝ているふわりに声をかけた。
「ふわり、今から遊ぶか?」
「ワンワン」
「よし、遊ぼうな」
声をかけると起き上がってすぐに嬉しそうに鳴いたふわりに応えてだった。彼はふわりと家の中で遊びはじめた、そうしてだった。
その中でだ、彼はふわりに言った。
「長生きしろよ、そしてずっと一緒にいような」
「ワンッ」
ふわりはそうしようという感じで応えた、そうしてだった。
無駄に鳴かず元気に遊んだ、一家はそんな彼女に長生きしてもらいその間ずっと一緒にいようと誓った。
トイプードルは長生き 完
2022・7・25
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