第二章
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多くの者が突撃した、そうして。
「犬を捨てるな!」
「犬は家族だろうが!」
「犬をおもちゃ扱いするな!」
「子供もちゃんと育てろ!」
「お前等に犬を飼う資格はないぞ!」
「子供をもうける資格はないぞ!」
こう言うのだった、抗議団体の様に。
そしてだ、彼等は百田家の玄関の前で笑いながら話した。
「もっとやってやろうぜ」
「ああ、飼育放棄に育児放棄する屑夫婦に情は無用だ」
「徹底的にやってやろうぜ」
「こんなことで許すな」
こう言ってだった、家の玄関の前に。
トイプードルのぬいぐるみを次々に置いて言った。
「ぬいぐるみならいいだろ!」
「これなら捨てていいからな!」
「好きなだけ可愛がれ!」
「あとケージ置こうぜ」
今度は犬用のそちらを出した、そして百田家の前に置いて言った。
「ぬいぐるみなら一日中ケージに置いてもいいぞ!」
「吠えないしな!」
「これでいいだろ!」
「お前等も困らないぞ!」
「さあ受け取れ!」
「俺達からのプレゼントだ!」
家にいる夫婦に対して嘲笑しながら言った、そうして。
彼等も壁に落書きをしていった、その落書きは。
「犬にも命があるからな」
「この家には娘を保健所に贈る鬼畜夫婦がいます」
「この家の夫婦は犬も人間も育てられません」
「皆さんこんな連中みたいになってはいけませんよ」
「外道はどっかに行け」
こんなことを落書きして帰ることにした、その時だった。
彼等はケージもぬいぐるみも持って帰った、そうして帰り道に夫婦の家に向かって嘲笑して言った。
「俺達はぬいぐるみだって大事にするからな!」
「お前等とは違うぞ!」
「ものだって大事にするぞ!」
「命は絶対に観捨てないぞ!」
「誰がお前等みたいになるか!」
「最低な連中にはなるか!」
夫婦に向かって言った、夫婦は泥酔しきった顔に怒りをみなぎらせていた。だがそれでもであった。
酒に溺れきりそれに蝕まれだしている身体は満足に動かなくなりだしていた、それで彼等の嫌がらせにも何も出来なくなっていてだった。
尚更精神を荒廃させるだけだった、そうして尚更地獄に堕ちていっていった。
ある日文太が妻と共に二人の様子を見に来てこう言った。
「もうな」
「長くないわね」
「ああ、何時どうなってもだ」
「おかしくないわね」
「そうなるな」
妻の百合子に言ってだった。
そのうえでその場を去った、それから暫く忙しく二人の家に行くことはなかった。そして二人が死んで腐乱死体となって発見されたことを知ったのだった。
受け続ける仕置き 完
2022・7・25
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