第6章 英雄感謝祭編
第26話 戦勝
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を発した。
しかし、ヒノエが一体何を言おうとしていたのか、先ほど去っていったミノトと9人は理解していた様子であった。
さて、竜種の襲来のあった次の日の朝。宮廷魔導士やウェンディ、蛇姫のシェリアの治癒に加え、アレンのアイテムの活躍により、重傷者も多かったが、日常生活に支障がない程度にまで回復していた。首都クロッカスも、復興に向けて残骸の撤去に勤しんでいる様子であった。
そんな折、今回の戦いに参戦した魔導士たちは、皆が玉座の間で一堂に会していた。玉座の間には、国王、ヒスイ王女が玉座の椅子に腰かけ、アルカディオスにダートンが控えていた。
魔導士たちは、皆片膝をついて頭を垂れていたが、国王の言葉に頭を上げる。それを見届けた後、ヒスイ王女が意を決したように口を開いた。
「この度は、竜の撃退、誠に感謝申し上げます」
ヒスイは両手をぎゅっと握って言葉を続けた。
「そして、私の判断ミスにより、皆さまにお怪我をさせてしまったこと、心からお詫び申し上げます」
そう言うと、ヒスイ王女はじめ、4人が頭を垂れる。そんな様子を見ていた魔導士たちは、口々に「おやめください」と言葉を発している。その状況を見て、他の魔導士たちよりも一歩前に出る形で膝を着いていたマカロフとアレンの2人が声を発した。
「姫様の責任ではありません。すべては、バルファルクの仕業によるもの。どうか、頭を上げていただきたい」
「アレンの言う通りです。差し支えなければ、経緯をお話しいただけますかな?」
ヒスイ達は、その言葉に従うように、ゆっくりと頭を上げ、ことの経緯を説明した。
バルファルクが、世界の破滅、つまるところ三天黒龍の内の2体の復活を阻止する計画を持ち掛けてきたこと。それがオスティウン・ムーンディという世界を繋げる扉を繋げることで、フィニスを発動させることで防ぐことができるという話であったこと。それを実行するには、フィオーレ一族の血を引くものの魔力と、竜を斃せしものの魔力、すなわちアレンの魔力が必要であったこと。しかし、その全てがバルファルクの策略であり、実際にはフィニスというのは世界を破滅へと導くことであったこと。それによって、1万の竜の召喚が為されようとしたこと。しかし、アレンの働きにより、これが10体の召喚で抑え込めたこと。
今回のフィニス計画に関するすべての経緯を、魔導士たちに述べた。それを聞いた魔導士たちは、暫く言葉を失っていたが、一人の女性が小さく口を開いた。
「それならば、アレンの言う通り、ヒスイ姫の責任ではございません。ヒスイ姫は、騙されていただけです」
「ですが、私は世界を破滅へと導く手助けをしてしまいました」
ヒスイの目にうっすらと涙が浮かぶ。
「もう終わったことだ…。言ってたってしょうがねえ」
「っ!おい、ナツ!!」
ナツの敬意のない言葉に、横にい
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