第6章 英雄感謝祭編
第26話 戦勝
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を…」
ヒスイはこれでもかとアレンに抱き着き、頬をアレンの胸元へと擦り付けている。…アレンを引きずっていた女性陣が、まるで石になったように固まっている。そうして、ヒスイは一頻り頬を擦り付け終えると、抱き着いたままアレンの顔を上目遣いで見つめる。
「ご無事で何よりですわ…///」
後ろからつけてきたアルカディオスとダートンが頭を抱えて呻き声を上げていた。その様子を見たラクサス達4人だけでなく、どの場にいる魔導士や衛兵全員が、目を丸くして黙りこくる。そして、なんとなく理解する。この状況を…。
そして、息を合わせたように、
「「「「「「「「「「えええええええええええええええっっっ!!!!」」」」」」」」」」
と、首都クロッカスに襲来した竜種の、どの咆哮よりも大きな叫び声を、轟音を上げるに至った。
天彗龍バルファルク、並びに竜種の襲来による首都クロッカスでの決戦は、魔導士側の勝利で幕を閉じた。首都クロッカスは、全体の4割の建造物等の被害を出した。
しかし、そんな風に家や建物を失った人々もいる中で、首都クロッカスのその日の夜は、非常に賑やかなものとなっていた。大通りのど真ん中で焚火をしたり、肉を焼いたり、まるでバーべキューのようなことをしている者もいれば、壊れていないテーブルや椅子をかき集め、酒を飲んだりして大騒ぎしていた。中には、涙を浮かべて喜んでいるものも見られた。
大通りや広場を中心とし、まるで宴の様相を見せていた。
さて、そんな様子で大盛り上がりの夜の首都であったが、何やら十数人がテーブルを囲むようにして、真剣な面持ちをしている。
「なぁ…それ、冗談とかじゃないよな?」
「こんなふざけた冗談を言うと思うか?」
アレンの言葉に、エルザがキッと睨みつける様子で口を開いた。
「でも、一国の姫が俺なんかに惚れるなんて、そんなことあり得るんか?」
「まあ、アレンならありえるんじゃない…」
今度はウルティアが口を開く。
「ま、まさかーっ!そんな姫が騎士に助けられて恋するなんて、物語じゃあるまいしっ!ははは…はは…は…」
アレンはこの何とも居心地の悪い空気を打開しようとおどけて見せたが、空気がよくなることはなかった。皆、真剣で怪訝な面持ちであった。
「いっそのこと、嫌いですって言えばいいんじゃない?」
「いや、そんなこと言ってみろ…不敬罪で捕まってしまう」
「じゃあ、好きですっていうのかゾ?」
「そんなことしてOKですってなった日には、えらいことになるだろーが!」
ミラ、カグラ、ソラノ、アレンが淡々と会話を続ける。
「…王族の、姫の権限を使って、アレンを姫直属の騎士に任命される可能性は…」
「ない…とは言えんな…」
ウルの言葉に、カナがため息をつくように答える。
「そ、そんなのダメです!」
「アレンさんと離れてしま
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