第2部
スー
名もなき村
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て、穏やかだった。
「それじゃあ、落ち着いたらまた来る」
「ありがとうございました、ユウリさん! ユウリさんたちのために役に立つアイテムを揃えておきますので、いつでも遊びに来てください」
「ああ。けどあまり無理はするなよ」
船の方へと踵を返すユウリの背を見送りながら、ルカはぶんぶんと大きく手を振った。そんなルカに挨拶することを、私は未だに躊躇っている。けれどこのまま黙って船に戻るのはさすがに心が痛い。ずっと俯いていた私は、ちらりとルカの方を振り返った。
「ルカ……」
「アネキ!! 絶対魔王を倒してこいよな!!」
その言葉に、私はハッと揺り起こされた気分になった。
そうだ。私の目的は魔王を倒すこと。ルカが自分の夢のために頑張ってるのに、私がちゃんとしないでどうするんだ。
目が覚めた私は、精一杯声を張り上げて
「そっちこそ、グレッグさんと協力して、しっかり町作りをしてよね!!」
「当たり前だろ!!」
今度は泣かなかった。だって、これは弟が成長したことを確認できて、嬉しかったから。
私は笑顔でルカに手を振った。ルカもそれに応えるかのように、力強く手を振ったのだった。
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