第6章 英雄感謝祭編
第25話 vsバルファルク
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装する。
「はは、なんだか懐かしいですね、この感じ…」
「あら、私も同じことを考えていましたわ♪」
「…百竜夜行以来ですね…」
そんな風に会話をし、3人が身構える姿は、これ以上にないくらい絵になっていた。思わず結界内の魔導士たちは、その姿に見惚れてしまう。
「んじゃ、作戦通りに…」
「「はい、抜かりなく」」
その会話を皮切りに、アレンは地面を蹴り割り、上空へと跳躍していった。
玉座の間にいるヒスイ達は、自身のいる王城を囲うようにして出現した結界に驚きを見せていた。だが、それを覆すような衝撃が、空から舞い降りてきた。
「こ、こんなことが…」
「お、おわりだ…」
ヒスイと国王は、天を覆いつくさんとする巨大な隕石に、絶望の表情を見せる。同じように固まっていたアルカディオスであったが、その隕石に向かっていくなにかを見つけ、その目に生気を取り戻す。
「あ、あれは…アレン殿!!」
「まさか、あれを迎え撃とうというのか!?」
アルカディオスとダートンが驚愕の表情を見せる。
「ア…アレン様!!いけません!!!」
ヒスイが崩壊したバルコニーから身を乗り出して叫ぶ。その身体をアルカディオスが制止していると、アレンの声が耳に入る。
「桜花・翡翠連斬!!!!」
アレンがそう言い放つと、大剣から翡翠色の三日月のような斬撃が出現する。桃色とも黒色とも取れる縁をもった斬撃が、いくつも出現し、隕石を半分、そのまた半分と切り刻んでいく。ヒスイは目を見開いた。隕石を次々と細切れにしていく様にも驚いたが、なにより、アレンの周りに淡い桜の花びらが舞い散る様子が見て取れたのだ。
幻覚であろうか…。いや、確かに見える。私の名前、そして目や髪の色と同じ翡翠色の斬撃、それを纏う桃黒の輪郭。そして、桜の花びら…。
「綺麗…美しい…」
ヒスイは、今のこの状況下において、発することがないであろう言葉を漏らす。だが、言わずにはいられなかった。余りにも美しいその斬撃が、死を齎す隕石を細切れにする。
ヒスイの胸がドクンッと波打つ。先ほど感じた…アレンに助けてもらった時に感じたものよりも更に強い鼓動が、ヒスイの身体を支配する。
暫くそんな風に考えていると、今度は圧倒的な風とも波動ともいえるような砲撃が細切れになった隕石を消滅させていく。さらに、取り逃がした隕石の残骸を捉えるかの如く、いくつも矢が、それを粉砕していく。
あれほどまでに絶望的であった状況が、天を覆いつくさんとした隕石が、この数十秒で悉く消え去った。
もう一度、ヒスイの胸が強く鼓動する。ヒスイは胸の前で両の手を絡め、顔を真っ赤にして口を開いた。
「はぁ///これが…これが恋、運命なのですね…///私は…アレン様のことが…///」
隣にいたアルカディオスと国王、ダートンの表情が別の意味で驚愕のモノへと変
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