第6章 英雄感謝祭編
第25話 vsバルファルク
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うように飛散し消滅する。
アレンはそれを見届けると、魔導士たちの集まる場所へと高速で移動する。
「ッ!アレンさん!」
「ひどいお怪我を…」
アレンの姿を見て、ヒノエとミノトが悲鳴に近い声を上げるが、それでもアレンは返答をしない。そして、両手を魔導士たちへと向ける。
「…縛道の八十九…」
アレンがそう口にすると、王城と王城前広場を囲むようにオレンジ色の線が形成される。
「断空絶壁!」
キィィィンッ…、という高音と共に上下前後左右を取り囲むような、淡いオレンジ色の結界が生まれた。
「こ、これは…」
「結界、か?」
「わ、私たちを守るために…」
ウルティアとフリード、ジュビアが驚いた様子で口を開いた。直後、バルファルクが地上へと舞い降りた。その巨体に、龍気に、気迫に充てられ、魔導士たちは結界の中にいることを忘れたように狼狽する。
『まさか、今のを防ぎきるとはな…さすがと言っておこうか』
「なっ!こいつ、喋れるのか!!」
「…お、大きい…」
「なんという気迫…」
「じ、次元が違う…」
グレイ、ウェンディ、ミネルバ、カナが震える声で呟く。
『まさか貴様ら下等生物に我が呼んだ竜種がすべて敗れるとはな…っ!ん?この匂い…』
バルファルクは、何かに気付いたように再度魔導士たちへと視線を移す。
『ふっ、なるほど…イグニールにメタリカーナ、グランディーネのガキか…。バイスロギアにスキアドラムのガキまで…』
「お、お前…ッ!イグニールのこと知ってるのか!!」
「てめぇ…一体メタリカーナとどういう関係だ!」
「グ、グランディーネの居場所を知っているんですか!?」
ナツ、ガジル、ウェンディの言葉に、バルファルクは咆哮をもって答える。
『ふふふっ!貴様らゴミに教えると思うか?』
「な、なんだと!!」
「ということは…」
「な、何か知っているんですね…!」
ナツ、ガジル、ウェンディがそれぞれ声を上げる。スティングとローグは特に言葉を発することなくバルファルクを見つめていた。
『まあ、奴らとは敵、ということは教えておいてやろう…』
「てめえ!イグニールの場所吐けー!」
ナツが結界を叩きながらバルファルクへと怒号を飛ばす。そんなナツに向け、バルファルクは目にも止まらぬ速さで槍翼を突き刺さんと攻撃する。だが、その攻撃は、アレンの張っている断空絶壁に阻まれる。余りの衝撃と轟音に、ナツは思わず腰を抜かして座り込む。
『この結界を張ったのは正解だったな、アレン…でなければ今頃、イグニールの子は肉塊となって死滅していた』
「…そりゃどうも…」
アレンは先ほど手放した大剣を地面から抜き、再度構えなおす。
『なるほど、まだ戦う意思はあるようだな…だが、私はこの辺で引かせてもらおう…』
その言葉に、皆が驚きの表情を浮かべる。
「…
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