第6章 英雄感謝祭編
第23話 竜種vs魔導士1
[8/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
衝撃する前にシモンがキャッチし、事なきを得る。
「大丈夫か!カグラ!」
「お兄ちゃん…助かった」
シモンは、カグラを支えながら地面へと降ろす。ダメージはあるようだが、戦闘継続は可能なようであった。
「むぅ…あのスピードを何とかしないことには…」
「あの4人は大丈夫なのか?」
「ああ、なんとか戦えそうだ。後方支援に回るように伝えた」
カグラとシモンの元へと戻ってきた一夜が、急かされたように言葉を発した。
「やれることをやるしかない…奴の視界を奪う…闇刹那!」
シモンが魔法を発動すると、ナルガクルガが一瞬警戒したように身を震わせ、何かを探すように上下左右を見回す。
「効いているようだ…いける!」
「力のパルファム!」
カグヤがそれを見て、今度はナルガクルガの動きに細心の注意を払いながら近づく。
一夜も魔法を発動し、ナルガクルガに攻撃を仕掛ける。
だが2人は、攻撃を仕掛けようと動いた矢先に、あることに気付く。ナルガクルガが、こっちに顔を向けたのだ。
「まさか、気付いたのか!」
「っ!?お兄ちゃんの魔法が効いてない!?」
一夜とカグラは攻撃を中断するため、体勢を整えようとする。と同時に、シモンが気付いたように声を張り上げる。
「違う!こいつ、音で反応してやがる!聴覚が異常に発達している!!」
シモンの言葉に、2人は目を見開く。そして、ナルガクルガが身構え、尻尾を何度か振り回したかと思うと、一瞬で姿を消す。
「っ!消えた!」
「なっ!どこに!!」
カグラと一夜は驚きの表情を浮かべる。2人はナルガクルガに近づきすぎていた。故に、ナルガクルガが空高く跳躍をしたことに気付かなかったのだ。
「上だーー!!!避けろーーーー!!!!」
距離を取っていたシモンが、2人に声を張り上げる。2人はバッと上を見上げる。するとそこには、黒く、長く、太い尻尾が眼前に迫っていた。
「「ッ!!」」
2人は驚愕しながらも、何とかその身を横へとずらし、回避行動をとる。
『ドゴオオオオオオンン』という凄まじい音と共に、ナルガクルガの尻尾が地面へ衝突する。地面はパカッと真っ二つに割れ、様々な残骸が空中へ飛び散る。
「じょ…冗談だろ…」
「地面が…割れた…」
「強すぎる…」
「ひっ…」
ヒビキ、イヴ、レン、ジェニーは、戦闘の様子を眺め、絶望に似た声を漏らす。
「カグラ!一夜!!」
シモンはカグラと一夜がいたであろう場所へ駆ける。だが、その瞬間、赤い光がシモンの横へと現れる。一瞬で理解した。それは、ナルガクルガの目であることを。
「くっ…」
シモンは防御するように、両手を胸の前で交差させる。だが、その行動は、ナルガクルガの刃翼に吹き飛ばされるという結果を覆すに至らなかった。
「がっ!」
シモンは建物の壁と衝突する。
「お兄ちゃん!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ