第6章 英雄感謝祭編
第23話 竜種vs魔導士1
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エルザ達を包むように、緋色の巨大な肋骨が出現していた。これが、ディアブロスの突進を防いだことは明らかであった。
「こ、これ…は…」
フレアがその肋骨をみて、驚愕の表情を見せる。
「まさか…アレンと同じ…魔法の覚醒…」
ジェラールが狼狽するように声を上げる。そう、見たことがあったのだ。ハデスとの戦いのとき、アレンが自分たちを守ってくれた、あの骸骨の化身であった。
「これが…須佐能乎…」
自分自身のこととはいえ、エルザも驚いていた。だが、すぐに冷静さを取り戻す。感覚を確かめる。そしてわかる。この須佐能乎の力が。その使い方が…。
エルザはキッとディアブロスを睨みつける。そして、残りの魔力の全てを、須佐能乎に込める。すると、須佐能乎がパキパキッと音を鳴らし、次々と骨が出現して形作られ、巨大な上半身の骸骨が浮かび上がる。
ディアブロスが「ゴアアアア」と雄たけびを上げて、突進してくる。それを見たエルザは、須佐能乎の腕でディアブロスを振り払う。ディアブロスが、須佐能乎の腕の攻撃を受け、転倒する。
「す、すごい…これが…須佐能乎の力…魔法の覚醒か…」
「なん…て…力…」
ジェラールと、フレアがその力に驚きの声を上げる。
「ま、まだだ!…うおおおお!!」
エルザが更に力を籠めるように雄たけびを発する。すると、またもや須佐能乎に変化が訪れる。骸骨の上に、まるで肉体が覆うような変化は、女性を形どった人型の様相を作り上げる。須佐能乎が雄たけびを上げると同時に、須佐能乎の手に一本の、十メートルほどの強大な剣が形成される。
「これで…終わりだっ!!」
エルザがそう叫ぶと同時に、その剣が転倒しているディアブロスへと降りかかる。
「グゴオオオオオオオオッッ」
という叫び声と共に、ディアブロスの動きがとまる。それを見届けたエルザは、足の力が抜け、体勢が崩れる。
「ッ!エルザ!」
ジェラールは、自身の痛みに耐えながら、倒れこみそうなエルザの身体を支える。
「は、はぁ…はぁ…ジェラール、私は…やったぞ…アレンと…同じ…」
エルザは息絶え絶えと言った様子で、ジェラールに言葉を投げる。
「ああ、わかっている!さすがだ、エルザ!」
ジェラールの言葉に、エルザはふっと笑い、目を閉じた。
カグラとシモンは、クロッカスを縦横無人に駆け巡ったが、フェアリーテイルのメンバーを見つける前に、とある竜と遭遇してしまった。
全身真っ黒な毛並みを基調とし、目や耳の一部が赤黒い色を持つ竜。その竜の出現に伴い、周りの人々は悲鳴をあげながら逃げ惑う。
竜がカグラとシモンの方へ向き、動向を探るように首を動かしている。2人も竜の動きに注意を払っていると、青い天馬の一夜とトライメンズ、そしてジェニーが駆けつけてきた。
それぞれ竜の動向に警戒しつつ、軽い挨拶を躱し終える
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