第6章 英雄感謝祭編
第23話 竜種vs魔導士1
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さまジェラールへと駆け寄る。ジェラールの身体は、何度か地面をバウンドし、フレアとミリアーナの傍で動きを止めた。
「ジェラール!おい、ジェラール!!」
エルザは手にもつ剣を投げ捨てる。ジェラールの身体には、打撃痕に加えて、腹から右肩にかけて、大きな裂傷が見られた。恐らく、角の先端で裂かれた傷であることが伺える。
「くっ、エルザ…ッ!まずい、奴が…」
ジェラールは痛みに耐えながら、ディアブロスの状況を見る。目を見開く、すでに突進のモーションを繰り出し、こちらに迫らんとしていた。
エルザも、それを見て、ジェラールを地面に寝かせると、覚悟したように立ち上がる。そして、金剛の鎧を換装し、迎え撃とうとした。
「ッ!無茶だ!!よせ!やつの巨体とスピードで繰り出される攻撃だ!いくら金剛の鎧でも無理だ!!」
ジェラールの叫びにエルザは反応することなく、迎え撃つ覚悟を決める。ディアブロスが角を前方に添え、突進を始める。エルザも金剛の鎧の盾を前方に添え、迎え撃とうと歩き出す。
衝撃。両者、数秒間の衝突の後、ディアブロスは一歩後退。エルザは数メートル吹き飛ばされる。そして、ディアブロスの角が一本折れ、エルザの金剛の鎧は完全に砕け散ってしまう結果となった。
ディアブロスは怒りのままに、咆哮を発する。
「ぐっ…くそ!」
「エルザッ!ぐはっ!」
「っ!二人…とも…ひどい…けが…」
エルザもジェラールも、もう限界を迎え、立ち上がることができずにいた。2人の傷を見て、フレアが悲痛の声を上げる。
だが、こともあろうにディアブロスは体勢を整え、再度突進をしようと準備を整える。
「はぁ、はぁ…これが…竜の力…これほどとは…」
ジェラールは悪態を付くように、消え入りそうな声で呟く。
ディアブロスがこちらに向かってくる。エルザは悔しそうにディアブロスを睨む。アレンとの修行を得ても、2人掛かりでも倒せないのか…。アレンは、私たちにお願いしてくれた。力を貸してほしいと…。なのに、私は…。エルザの心に負の感情が生まれる。だが、それをすぐに打ち消す。
…いや、まだだ…。まだ私の身体は動く。まだ、戦える!
もう、ディアブロスが目の前に接近している。エルザはふと、ある言葉を思い出した。
『俺は信じている』
それは、2か月ほど前、修行をつけてくれたアレンの言葉であった。エルザは唇をかみしめる。そうだ、アレンは私を信じてくれている。だから、私は…っ!
「こんなところで、死ねるかーっ!!」
エルザが、魂から叫んだような怒号を上げた途端、ディアブロスの突進がエルザ達の目で急に動きを止める。それは、ディアブロスの意思ではない。ゴンッという音共に、動きを止めたのだ。何か、ディアブロスの動きを止めるような、壁のようなものに当たった音であった。エルザ含め、4人が驚いたように目を見開く
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