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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第6章 英雄感謝祭編
第22話 フィニス
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な光景に、足の力が抜けてしまった。
衛兵を襲った赤い気弾が目の前に来る。私は…自らの国を、世界を、この手で滅ぼしてしまった。死にゆく恐怖よりも、後悔のさざ波と絶望が心と身体を支配する。そうして、すべてを悟ったように目を閉じ、死を待った。
…だが、私に届いたのは、優しくも切羽詰まったような声であった。
「っくそ!!間に合ったが、間に合わなかったか!!」
その言葉の意味をヒスイはスポンジが水を吸収するかのように理解する。そして、その声の主も…。
「…アレン…様…」
竜の天敵と言われている男が、私とバルファルクの間に割るようにして、立っていた。
バルファルクはそんなアレンの姿に、驚いた様子を見せるが、すぐにニヤッと笑みを浮かべ、口を開く。
「ほう?まさか、気付いたか?この私の計画に…」
「この力、その気配、貴様…バルファルクか…」
アレンは睨むようにして、声を発した。
「いかにも、私は天彗龍バルファルク。一足遅かったな。すでに扉は開かれ、1万の竜がこの街に召喚される」
バルファルクは高らかに笑って見せた。
「貴様…なぜ人型で口を聞ける!計画とはなんだ!」
「ふふ、答える義務はないな。詳しいことが知りたいのなら、後ろの小娘に聞いたらどうだ?お前の魔力を騙して奪い、世界を滅ぼした、哀れな小娘に…」
バルファルクの言葉に、ヒスイは両手を床につき、大粒の涙を零していた。その背中を国王が擦る。
「…悪いが、バルファルク…俺は今、お前の趣味の悪い遊びに付き合ってる暇はないんだ…お前を、この玉座から叩き出す。お前の相手は、扉を閉じた後だ」
「ほう?できますかね?…っ!」
アレンの言葉に、バルファルクは挑発的な態度をとるが、自身の身体の変化に気付き、目を見開く。
バルファルクが自身の身体を確認すると、そこには6本の光の板のようなものが刺さっていた。ヒスイ達は、急に現れたバルファルクを縛る板に、驚いた様子を見せた。
だが、それを見ても、バルファルクはすぐに冷静さを取り戻す。
「捕縛魔法か?だが、この程度の魔法、そう長くはもたんぞ」
「…言ったはずだぜ、お前をこの玉座の間から叩き…」
アレンはそう言うと、瞬時にバルファルクの腹へと移動する。一瞬で視界から消えた、その余りのスピードに、バルファルクは初めて驚愕の表情を見せる。
「出すと…。破道の六十三、雷咆砲」
アレンの放った魔法は、人型のバルファルクを城外へ吹き飛ばすに足る威力を誇っていた。アレンの手のひらから、雷の円盤のような余波が、バチッと漂っている。
バルコニーから外へと吹き飛んだバルファルクは、城外へとその身を落とした。アレンはその様子を見届けると、すぐさまヒスイの元へと走った。
「ヒスイ王女!お怪我は!!」
「あ、ああ…」
ヒスイは正気を保っていなかった。恐らくは自身
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