第6章 英雄感謝祭編
第21話 謁見
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憂に終わりそうな方向に、少しホッとするが、すぐに胸に騒めきが起こる。
「(…いや、まてよ。阻止するためなら、なぜ扉をあける?閉めるのであればわかる。だが、開けるということは繋げるということになるのではないか?あとフィニスと言っていたが…何か引っかかる)」
アレンはそんな風にして考えていたが、そもそもオスティウン・ムーンディとフィニスが何であるかが分からなければ、結論は出せない。
そうしながら考えていると、階段は終わりを迎え、大きな地下室に到着した。そこで、アレンは異様な雰囲気を感じ取る。
「(っ!これは…あの時感じたモンスターの気配…)」
アレンは潜伏珠を取り出し、更に潜伏スキルを上げて警戒を強める。
「全ての準備は整いました。バルファルクさん」
「そうですか、アレンさんの魔力を手に入れたのですね。では、この扉を玉座の間に転移させ、フィニスを実行するとしましょう。世界の破滅を防ぐために」
アレンは、ヒノエ達と再会した時と同じくらいの衝撃を受ける。
「(バルファルクだと…まさか、天彗龍バルファルクなのか…いや、だが、どう見ても奴は人だ。バルファルクが人型になれるという話は聞いたことがない…)」
アレンは動揺しながらも、頭をフル回転させる。
「(まて、人型になれるかどうかは今はどうでもいい話だ…。奴から感じるオーラ、あれは間違いなくモンスターの、しかも古龍のオーラだ。仮に奴が本物のバルファルクだとして、なぜ奴が世界の破滅を止めようとする。奴は人類の敵とも言われている古龍だ…ッ!)」
アレンは何かに気付いたように、大きく目を見開いた。
「(いや、違う!そもそもなぜ俺の魔力が必要なんだ?…バルファルクは俺の世界の龍…っ!まさか!!俺の魔力は俺の世界と繋げるための…ということは…!!)」
アレンが一つの結論に至り、ヒスイ王女たちがいる場所をぐっと力強く見つめるが、そこにはすでに誰もおらず、オスティウン・ムーンディも姿を消していった。
一斉に玉座の間に転移したことを理解したアレンは、先の発言から、フィニスを実行するのは時間の問題であること、そしてもし本物のバルファルクであれば、分身体では相手にならないとこと、以上の点から、この情報を本体へととどけるため、影分身を解き、一時王城を後にした。
図書館に潜入していたアレンの分身体は、更なる衝撃的な資料を見つける。その資料は、フィニスという文献で、なぜかこの文献に限り、アレンの世界の文字が使われていたからだ。
「フィニス…終わりを意味する言葉…王の血を引きしもの…竜斃すもの…両の魔を込め…扉を開きしとき…竜満ちる世界との繋がりは成り…一万の竜をもち…世界に破滅を与えん…ッ!」
その文献を読み、アレンの頭に衝撃が走った。
「こ、これは…つまり…」
息が荒くなるのを感じる。最悪の、いや、想
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