第6章 英雄感謝祭編
第21話 謁見
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つつ、本体は感謝祭へと向かった。
図書館へと向かった分身体は、魔法で施錠を破り、館内へ侵入する。魔法具などのめぼしい本にはすべて目を通した。まず現段階でわかっていることは、元の世界でモンスターに遭遇したような気配を一瞬察知したこと、そして俺の魔力を込めた魔水晶が王族の手にあることだ。現段階でその2つを繋ぎ合わせるものは何もない。さらに言えば、魔水晶に関しては本当に伝統として行っている可能性も高い。
だが、モンスターの気配を察知したのは事実であり、考えうる最悪のシナリオとしては、モンスターや竜がこの世界に紛れ込んでいる、若しくは意図的に来ているか呼ばれているかということになる。自分の経験談の話になってしまうが、禁忌の龍でもない限りは、あのアクノロギアを超えるようなモンスターは元の世界にも存在しないだろう。だが、飛竜種であっても、このアースランドにおいては、しかも市街地ともなればその出現による被害は甚大だ。
しかし、アクノロギアが禁忌の龍を復活させようとしているのは女神の言葉から真実であると言える。すると、あの時感じたモンスターの気配がその一端であるという可能性も捨てきれない。
そんな風に文献をあさっていると、一つの資料に目が留まる。
そこには、『オスティウン・ムーンディ』という題材と共に、その詳細が書かれていた。
「オスティウン・ムーンディ、フィオーレ一族に伝わる秘宝…魔道具の一種…世界を繋げる扉か…繋がる世界に関しては…特に表記はされていないか…」
アレンはとりあえず有益だと考え、その資料を一旦置き、他の魔導具などに関しても調査を始めた。
エルザとカグラは、首都クロッカスの大通りでの出店で、りんご飴を購入し、祭りの喧騒を眺めながら食していた。
「ん、前にヒノエが言っていた食べ物と酷似していたから買ってみたが、これはうまいな」
「甘くて美味しい…それに色がエルザの髪と似ていないか?」
そんな風に他愛もない話をしていると、2人に声を掛けてくるものがいた。
「エルザ姉さん!」
「エルザ!」
どうやら、エルザの名前を知っているもののようだ。エルザとカグラはりんご飴をなめながら、後ろを振り返る。
「その声…お前たちは…ッ!ミリアーナ!そ、それに、シモンか!!」
「ッ!!!」
エルザは久しぶりの、楽園の塔で別れたきりの二人の成長した姿に思わず声を張り上げる。
カグラは驚きで声が出ないようだ。
「久しぶりだニャ!!」
「ん?そっちの君は…ッ!」
ミリアーナがエルザに抱き着き、再開を喜んでいると、シモンも何かに気付いたように目を見開く。
「に、兄さん…」「カ、カグラ…なのか?」
2人はじりじりと歩み寄りながら、目に涙を浮かべている。
「兄さん!!」「カグラ!!」
2人は大粒の涙を流し、抱擁しあった。そんな兄弟の再会を
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