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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第6章 英雄感謝祭編
第20話 出立
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記者から、「かっこいい写真が撮りたい」というので、わざわざ家からタキシードを持ってきたり様々な武器や防具を換装して、写真を撮ったのだ。無論、アレンのタキシード姿などは、似合っているなどという言葉では言い表せないほどの者であり、ギルドの女性陣だけでなく、男性陣ですら感心するほどの者であった。
そんな風に、取材の時のことを思い出しながら記事を見ていると、とあるデカデカとした文字が目に留まった。
「ん?『竜の天敵、妖精王オベイロン、アレン・イーグル』…なんだよ、妖精王って…」
反応から察するに、どうやらエルザとルーシィ以外もアレン同様知りえていなかった情報らしく、記事に視線を移す。
「なんでもアクノロギアを倒した、という意味と、フェアリーテイルの王様という意味らしいぞ…。そのつまり…」
エルザは、最初こそ力強く言って見せたが、次第に語尾に行くにつれて声が弱弱しくなる。
「妖精王オベロンねー…おお、そしたら、妖精女王ティターニアって呼ばれてるエルザとはなんかタッグみたいだな」
気付いたように、呟いた言葉だったが、それによって顔の表情がパーッ明るくなるものと、ズーンと暗くなるものがいた。
「そ、そうだろう!オベロンとティターニア!フェアリーテイルの双璧って感じで、すごくいいと思うんだ!」
エルザはアレンに詰め寄るようにして、目を見開く。
「あら、私は竜の天敵って方がとってもかっこいいと思うわ」
ミラはどこか不貞腐れたように、怒りを含んだ表情で答える。
「…なんだ、文句でもあるのか?ミラ」
「あら、別に文句なんてないわよ、ただ、竜の天敵ってほうがアレンにはお似合いかなーって、そう思っただけよ。エルザ」
2人の間に怪しいオーラが立ち込める。そんな2人の様子を察したルーシィとグレイ、ジェラールの顔が少し引きつる。そうして何度か不穏な様子のやり取りは続き、次第にエスカレートしていく。
「ふん!私とアレンの異名が似ているからって、変な焼きもちを持つとは、大人げない」
「あら、たかが異名ごときでそーんなに必死になって、あなたこそ恥ずかしくないの?エルザ」
「必死になっているのはお前だろう!ミラ!」
「あら、こわーい、急に怒鳴るなんて、男みたい」
ゴゴゴゴゴッと馬車内の雰囲気は一触即発となるが、「ゴンッ」という音と共に、それは急速におさまりを見せる。
「「いてっ」」
「何喧嘩してんだよ、お前たちは…」
その音は、エルザとミラの頭にアレンが軽く拳を下した音だった。
「「だって!」」
「だっても何もない、まったく…こんな小さい馬車の中で喧嘩すんな」
「「…はい」」
そんな様子を見ていたルーシィが苦笑いをしながら口を開いた。
「な、なんか…ナツとグレイの別バージョンって感じ?」
「昔はこんな感じのやり取りが毎日何回もあったけどなー。
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