第5章 修行編
第19話 習得
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アレンの言葉通り、私は何度も何度も試行錯誤を繰り返し、修行に臨んだ。
ウェンディside
修行36日目。ようやく修業期間も残り1週間。修行開始前に、「滅竜魔導士は問答無用でハード」といわれた時は、恐怖と不安で押しつぶされそうだったけど、厳しいながらも時に優しく声を掛けてくれるアレンさんのおかげで頑張ることができている。私にも第二魔法源の解放に加え、種類の違う2種類の魔力を練り合わせることができた。最初はよくわからなかったけど、実際にそれをもって魔法を使ってみると、明らかに威力が上がっていて本当に驚いた。シャルルにも、私が強くなっているのが目に見えてわかるらしく、最初はアレンさんに冷たい様子のシャルルだったけど、少しずつアレンさんを認めている様子がわかった。
「さて、今日からは強力な魔法を習得しようってことなんだが、確かポーリュシカさんから預かってるものがあるんだって?」
「あっ!はい!!これです…」
私は、グランディーネがポーリュシカさんに預けていた魔導書を受け取り、中を見る。
「…んー、なるほど…こりゃ中々に強力な魔法だな…そして習得も難しい…」
アレンさんは私から預かった魔導書を見ながら、呟くように言った。私でもまだすべてを読み解けていないのに、アレンさんは一度見て読んだけで理解したようだ。やっぱりアレンさんはすごい人だ。
「でも、それは修行する前の話…」
「え?」
私はアレンさんの言葉に疑問を投げた。それはつまり…。
「今のウェンディなら、習得できるはずだ」
「ほ、本当ですかっ!」
私はとても嬉しくて、大きな声で返事をした。アレンさんは魔導書に書かれた魔法を丁寧にかみ砕いて説明してくれた。魔法の名前や威力、効果…とても優しく、時折「わかるかな?」と本当に丁寧に教えてくれる。なんだか、エルザさんたちがアレンさんに惹かれる理由が少しわかった気がする。私も、少しアレンさんのことが…。でもそんな風にして説明を終えると、アレンさんが申し訳なさそうに声を発した。
「だけど、俺に滅竜魔法は使えないから、明確なアドバイスはできない。それは先に謝らせてくれ」
「そ、そんな、謝るだなんて…。アレンさんがいなかったら、私はここまで強くなれませんでした」
先週の修行で、2種類の魔力を混ぜて魔法力を高めたことで、天竜の咆哮、翼撃、鉤爪、砕牙の4つの滅竜魔法を完璧に近い形にすることができたのだ。
「そうよ。私の目から見ても、ウェンディの成長は著しいわ。正直、アレンの教え方がうますぎると思うくらいよ」
「シャルル…っ!」
シャルルがここまで他人を、それもまだあって間もない人を褒めちぎるなど、初めてであった。
「そういってくれると、助かるよ。でも、似たような魔法を見せ、イメージを掴ませることはできる」
「ん?似たような魔法ってウェンデ
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