第5章 修行編
第19話 習得
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でもそれじゃあ…」
必要な魔力量を消費しなければ、魔法は発動しない…つまり、精霊は呼べないということは私でもわかる。
「ああ、魔法はうまく発動せず、空振りに終わるだろう。でも何度も繰り返す中で、自身の魔力を身体の中で膨張させるイメージを持つんだ」
「…膨張?」
私は魔力の膨張という聞きなれない言葉に、疑問を浮かべる。
「まあ、知らないのは当然だ。この領域にまで足を踏み入れて鍛錬を行っている魔導士は少ない。簡単に言うとだな、10の魔力をそのまま消費すると、10の魔力の力を持った魔法が発動するだろう?魔力のロスについては考えないものとしてくれ」
「うん…。わかるゾ」
「だが、魔力の膨張…もっとわかりやすく言えば拡張、それが可能となれば、8の魔力を膨張させて10の魔力と同等の性能を有することができるんだ」
アレンさんはとっても真剣に説明してくれるが、自分にはさっぱり理解できなかったゾ。理屈はわかるゾ。でもどうやってやればいいのかさっぱりだゾ。さっきアレンさんは魔力ロスの最小化の修行を同じと言っていたが、正直あのやり方で一体どうやるのか、皆目見当もつかないゾ。
「まあ、言葉だけで理解するのは難しい。だから、実際に感じてもらいながら説明する。ソラノ、手を出してくれるか?」
「う、うん。わかったゾ」
私は言われるがままにアレンさんに手を差し出す。すると、アレンさんは私の手を優しく握ってくれたゾ。…しかも、指と指を絡ませた恋人つなぎで…だゾ。
「あっ///アレンさん?」
私はとっても恥ずかしくなり、思わず声が出てしまったゾ。アレンさんの手…とても温かいゾ…。
「今、俺はソラノと手を繋いでいる方に魔力を流しているが、わかるか?」
「…うん」
とても温かい魔力が私の手にも伝わっているゾ。次第に魔力はオレンジ色の衣のように視認できるようになったゾ。
「これが、魔力を普通に放出している状態だ。そして、魔力の膨張というのはこういう感じだ」
アレンさんが言い終えると、私の手に流れてくるアレンさんの魔力が、次第に膨張しているのが分かったゾ。
「こ、これは…」
「どうだ?なんとなくイメージはつかめたか?」
「う、うんだぞ…」
そうして、私の手からアレンさんの手が離れる。…もう少し手を繋いでいたかったゾ…。
「膨張のイメージはつかめたかと思う。そして、これを今と同じように、外に魔力を放出した後にやるのは造作もないが、魔力消費の最低化を図るには、魔力を魔法へと変換する直前で行わないといけないんだ」
「直前…だゾ?」
「そうだ。使用する魔力を意識し、それを魔法へと発動する直前。そのタイミングで魔力を膨張させ、本来は充足していない魔力を増大させ、魔法へと還元する」
「…それで、魔力消費の最低化がなる…だゾ?」
私はアレンさんの言葉をかみ砕きな
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