第5章 修行編
第19話 習得
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ナツside
修行8日目。アレンとの修行で、少しずつ自分が強くなっているのが分かった。初日に全力でアレンに殴りかかったときは、全く歯が立たず悔しい思いをした。だが、1週間身体の使い方を教えてもらいながら、ひたすらアレンと殴り合い(アレンには一発も当たらなかった)をしたことで、力の入れ方や殴り方をまだ完全とは言えないが身に着けることができた。アレンに、修行初日に言われた、「ラクサスと同じくらい強くしてやる」という言葉に血が滾った。もちろん、ラクサスに負けているとは思っていない。絶対俺の方が強いと思っている。だが、正直勝負の度に負けているのは理解していたし、だからこそ、俺が本当にそこまで強くなれるのかと砂粒程度の疑問はあったが、この1週間の修行でそんなものは吹き飛んでしまった。身体の使い方を知るだけでここまで力が向上するとは思ってもいなかった。ひたすらに全力で殴り掛かっても意味がないんだと、初めて理解した。
そして、2週目の今日からは、魔法発動時における魔力のロスを減らすという修行を行うらしい。なんだか少し難しそうだが、アレンの言うことであれば間違いはない。俺はハッピーが見守る中、アレンとの修行に真剣に取り組んでいた。
「言葉で説明するとだな、魔導士が魔法を使う際、体内にある魔力を魔法に変換するんだが、その際に必ずロス、つまり魔法に変換できずに放出されてしまう魔力があるんだ。これは俺はもちろん、どんな凄腕の魔導士でも必ず起こりうる。だが、そのロスを、極限にまで減らすことはできるんだ。それができれば、10回しか打てなかった魔法を、12回、13回と打てるようになるというわけだ。わかりやすく説明したつもりだったが、わかるか?」
「………?」
俺はいまいち、いやまるで理解ができなかった。
「ナツには少し難しすぎです…あい」
「なんだとー!!」
ハッピーに馬鹿にされ、少しイラっとした気持ちが芽生える。アレンはその後、何度も言葉をかみ砕いて説明してくれる。
「んー、つまり、沢山魔法が打てるようになるってことか!」
「…ああ、うん。もうそれでいいや」
どうやら、俺はアレンの言葉の意味をきちんと理解できたようだ。
「ナツ、やっぱお前には言葉だけで説明するよりも、やりながら説明した方がいいか」
「おう!燃えてきたぞっ!!」
俺はアレンの言う通りに、ひたすらに何度も火竜の鉄拳を発動させられた。「今まで無意識のうちにやっていた魔法の発動を、体内で魔力が魔法に変換されるのを意識しながら発動してみろ」というアレンの言葉通りに、意識を集中させながら何度も魔法を発動する。
体内の魔力が変換され、魔法となって体外へ昇華される。何言ってんのか全然わからなかったが、俺はひたすらにアレンの言う通りにやって見せた。
2時間くらいが経ったときに、アレンがふっと笑っているの
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