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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第5章 修行編
第18話 修行
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った。私がアレンと再会を果たしたのは、実に7年ぶり。当時私はまだ12歳であり、間違っても力のある魔導士とは言えなかった。それに加え、まだ子どもだった当時は、アレンから大人の女性としても見られていなかっただろう。だからこそ、この実力を測る機会を用いて、同時にアレンへ私の成長をみせようと考えた。
本当に全力を出して戦った。換装を用いてあらゆる鎧を身にまとい、全力でアレンへ攻撃を繰り出した。それこそ、本当に殺す勢いで飛び掛かった。時々、私の防御と回避能力を見るためか、アレンも攻撃を繰り出してくる。私は無我夢中でそれらに対応し、魔力が底を尽きるまで攻撃を繰り出した。
だが、結果は惨敗。そもそも戦いではないのだが、戦いではなくとも、惨敗だとわかってしまうほどに結果は明らかなものであった。アレンに傷を負わせるどころか、たったの一度も攻撃を当てることはできなかった。歯を食いしばる。魔力切れと疲労で地面に四つん這いになっていることが、更に悔しさを増幅させる。ここまで手も足も出ないとは思わなかった。少なくとも一撃喰らわせてやるくらいは…と思っていたが、それ以前の問題であった。そんな自分が惨めで、アレンの顔を見ることができない。
「今のが、お前の全力か?」
「…ッ!」
アレンの言葉に、思わず身を震わせた。失望されてしまったかもしれない。勝手に目尻が熱くなるのを感じる。それを必死に止めようとするが、涙はたまる一方であった。
「本当に、強くなったな、エルザ。見違えたよ」
だが、アレンから投げかけられた言葉は私の予想と反していた。
「え…?」
うっすらと涙を浮かべた目で、アレンを見つめる。アレンは、屈託のない笑顔で私を、お姫様抱っこで持ち上げる。
「お、おいっ///。ア…アレン?///」
アレンの、手の、腕の、身体の感触が伝わる。私は恥ずかしさのあまり、身体が固まる。恐らく、顔は真っ赤っかになっていることだろう。それを見られたくないと手で顔を隠そうとするが、硬直と疲労が重なり動かせない。暫くして、アレンは私を芝の上へと降ろし、寝かせてくれた。アレンも同じように、腰を下ろし、私の横に寝そべる
「エルザ…」
「…な、なんだ?」
まだ心臓が高鳴っているのを感じる。その高鳴りが疲労のせいではないことは、私自身が自覚していた。
「お前には、この修行を通して、ヒノエ姉さんと同等ぐらいにまで強くなってもらう」
私は、その言葉に驚きを隠せなかった。先日、まるで手も足も出ず、あまつさえヒノエに自身の思考を見破られ、早々に戦闘を終了されてしまった。恐らく、私が今のように全力を出しても、ヒノエには勝てないだろう。例えるならば、私とヒノエとの間には、ギルダーツと同程度くらいの差があると実感していた。
だからこそ、先のアレンの言葉はにわかには信じられなかった。
「わ、私が、
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