第5章 修行編
第18話 修行
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の瞬間、至る所から怨念のような、欲望の塊のようなオーラが発生したことは言わずもがなであろう。
「もちろん、あまりにも無茶なのはよせよ?まあ、でもできうる限り、聞いてやるつもりだ。だから、頑張れよ?」
アレンはその言葉を皮切りに、影分身を発動し、30体の分身を生み出した。そして、わかりやすいように、一人一人の名前が入った名札を分身アレンが胸に張り、それぞれ指定された広場や場所へと移動していった。
さて、余談であるが、この修行において、アレンの狙いが皆の力を強化し、強くするというものであることは皆承知の上であろう。だが、もう一つ、アレンは狙いを持っていた。それがどんな狙いであるのかは、この影分身の魔法の性質を知っている者のみであり、皆がそれを周知するのは、大分後のこととなる。
アレンは、それぞれの強度において、到達目標を設定していた。ソフトにおいては、膂力向上と魔力ロスの最小化、ノーマルは、ソフトの内容に加えて魔力消費量の向上と第二魔法源の解放、ハードは、ソフトとノーマルの内容に加えて、魔法力向上とより強力な魔法の習得とした。
エルザside
修行初日。私は、アレンから提示された修行に対し、迷わずハードでの修行を希望した。アレンへ希望を出した際、「いいのか?」と聞かれたが、「もちろんだ」と力強く答えた。そんな私の覚悟を見てか、アレンは二つ返事で了承してくれた。
私はまだまだ弱い。幼少期のアレンとの修行もあり、幽鬼の支配者や六魔将軍などとの戦いでは、比較的有利に戦闘を行えていたが、悪魔の心臓のアズマとは些少の苦戦を強いられ、マスターのハデスとは戦闘にもならず、アクノロギアと遭遇した際には、自身が戦う姿すら想像できないほどの実力差を感じた。更に、先日のアレンのお姉さんであるヒノエとの戦闘では、全力での戦闘ではなかったにしろ、敗北を喫してしまった。
これから先も、数多の強敵と戦わねばならないことがあるだろう。しかも、アレンが三天黒龍との戦いに挑むのはわかりきっていることから、せめてアレンの露払いができる程度には力が欲しかった。だからこそ、この修行という提案は即答以外の選択を、私に与えなかった。…加えて、分身体とは言え、アレンと二人きりで、しかも1か月以上も一緒に修行ができるという夢のような環境。さらに言えば、修行の成果次第でアレンがなんでも言うことを聞いてくれるというおまけつき。私の心は、今までにない高揚感とやる気に満ちていた。
アレンは私にハード難度の修行内容についての概要を説明してくれた。どうやら、此度の修行において、大きく6つの課題を設けているらしい。
私はその概要を聞き、更にやる気を滾らせる。初日は私の今の実力を知りたいということで、アレンに「殺すつもりで全力を見せて欲しい」と言われた。私は、瞬時にアレンへの最大のアピールチャンスだと思
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