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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆レッドギルド
第二十七話 マルバとシリカの覚悟
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めてである。

それに対して、ミズキは強化素材はとりあえず必要ないのでアイリアの手伝いが必要ならアイリアと一緒に行動しようかと思っていたのだが、その必要はすぐになくなった。
アイリアの部屋に朝食を持って行ったのだが、当のアイリアは本当に具合が悪そうにベッドに腰掛けて青い顔をしていたからだ。
「おいおい、本当に腹痛か?」
「……? なんのこと?」
「いや、なんでもねぇ。どうしたんだよ、お前が朝食に来ないなんて初めてじゃねぇか。」

アイリアは一瞬上げた顔を再び下げ、ぼそぼそと話し始めた。
「……ミズキ、さっきシリカちゃんとお兄ちゃんと話してたよね」
「……聞いてたのか」

アイリアは現実ではかなり耳が利く。仮想世界に来てから一気に耳から得られる情報が少なくなり、そのギャップを埋めるために《聞き耳》スキルを上げているのだ。そのため、階段の踊り場まで来たところで階下での話し声が耳に入り、思わず立ち止まって聞いていたら、さきほどの会話が聞こえたというわけだ。

「聞いてたんならなんで降りて来なかったんだ?」
「……シリカちゃんもお兄ちゃんも、昨日人を殺したんだよ?一体どんな思いでいたのかなって思ったらさ、下から聞こえてきたのが笑い声だったから、自分の耳が信じられなくて。……ねぇ、ミズキは二人の話を聞いてどう思った?」

ミズキは一瞬悩んでから、こう言った。
「強いな、って思ったね。あいつら、この世界がどんなに異常なのか、きっと誰よりもよく分かってる。それでいて、そのことに絶望しているわけじゃあねぇ。それにこの世界で生き残るために必要な強い絆を持ってやがる。あいつら、ぜってぇ最後まで生き残るぜ。もしかしたらこの世界を解放するのはあいつらかもしれねぇな」

「怖く……なかった?」
ミズキはその質問に少し驚いて、一瞬言葉に詰まった。
「……正直、怖かったさ。人を殺しておいて、あいつらはそれをなんとも思っちゃいねぇ。いくら生きるのに必要だったからって言っても、普通の人間ならなんとも思わねぇなんておかしすぎる。あいつら、他のプレイヤーを殺すことで互いを守れるなら容赦しねぇぞ、きっと」

アイリアはうつむいたまま、再びぼそぼそと話し始めた。
「……私、シリカちゃんとお兄ちゃんが怖い。この世界でお兄ちゃんに再会して、初めて無条件で信じられる人を見つけたのに……今はお兄ちゃんが信じられない。だって、おかしいよ。正当防衛だっていっても殺人には変わりないんだよ?なんで平然としてられるの?」
ミズキはしばらく考えてから、こう言った。
「それは分からねえ。……っつうか、なんとなく分かるけど、言葉にできねぇ」

アイリアは予想だにしなかった言葉に驚き、ミズキを凝視した。
「……分かるの? なんで?」

ミズキはかなり悩んだあと、
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