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IS 転生白書 オリ主が奏でる新しいインフィニット・ストラトス
リンリン言うなっ!
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「ふうん、ここがそうなんだ・・・・・・」
夜。IS学園の正面ゲート前に、小柄な体に不釣合いなボストンバッグを持った少女が立っていた。
まだ暖かな四月の夜風になびく髪は、左右それぞれ高い位置で結んである。
肩にかかるかからないくらいの髪は、金色の留め金が良く似合う艶やかな黒色をしていた。
「えーと、受付ってどこにあるんだっけ」
上着のポケットから一切れの紙を取り出す。
くしゃくしゃになったそれは、少女の大雑把さと活発さを非常に良く表していた。
「本校舎一階総合事務受付・・・・・・って、だからそれどこにあんのよ」
文句を言っても紙は返事をしない。少女は多少のイライラと一緒に紙を上着のポケットねじ込む。
また中でぐしゃっという音が聞こえたが、もちろん気にしない。
「自分で探せばいいでしょ、探せばさぁ」
ぶつくさ言いながらも、その足はとにかく動いている。思考よりも行動。そういう少女なのだ。よく言えば“実践主義”、悪く言えば“よく考えない”である。
──ったく、出迎えが無いとは聞いていたけど、ちょっと不親切すぎるんじゃない?政府の連中にしたって、異国に十五歳を放り込むとか、なんか思うところないわけ?
少女はジャパニーズに似ているが良く見ると違う。その鋭角的でありながらもどこか艶やかさを感じさせる瞳は、チャイニーズのそれだった。
とはいえ、この少女にとっては日本は第二の故郷であり、思い出の地であり、因縁の場所でもある。“人に歴史有り”とはよく言ったものである。
(誰か居ないかな。生徒とか、先生とか、案内できそうな人)
学園内の敷地を分からなりに歩きながら、きょろきょろと人影を探す。とは言え時刻は八時過ぎ、どの校舎も明かりが落ちているし、当然生徒は学生寮にいる時間だった。
(あーもー、面倒くさいなー。空飛んで探そうかな・・・)
一瞬、「それは名案!」と思った少女だが、あの“あなたの街の電話帳”三冊分に匹敵する学園内重要規約書を思い出して、やめる。
まだ転入の手続きが終わっていないのに学園内でISを起動させたら、事である。最悪、外交問題にも発展する。それだけは本当に止めてくれ、と何回も懇願していた政府高官の情けない顔を思い出して、少女の気分はちょっと晴れた。
(ふっふーん、まあねー、私は重要人物だもんねー。自重しないとねー)
正直に言って、自分の倍以上も年のある大人がへこへこ頭を下げるのは、ちょっと気分がいい。
昔から“年をとっているだけで偉そうにしている大人”が嫌いな少女にとって、今の世の中は非常に居心地が良かった。
男の腕力は児戯、女のISこそ正義。それもまた気分がいい。少女はかつて、“男って言うだけで偉そうにしてい
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