第二章
[8]前話
凛の両親穏やかな顔立ちの彼等から天理教の話を聞かされてだった。
教会の中を案内されてだ、凛に言った。
「いいですね、天理教」
「えっ、まさかと思うけれど」
「天理教の教会来たのはじめてですが」
それでもとだ、凛に笑顔で話した。
「僕何か感じました」
「そうなの」
「あの、またここに来ていいですか?」
「いいけれどあの」
凛は笑顔の宏昌に驚きの顔で言った。
「春日君ここに来たのは」
「お芝居ですね」
「彼氏ってことでね」
「そうですね、ですが」
「天理教になの」
「惚れ込んだみたいです、ですから」
宏昌は凛にさらに言った。
「またこちらにお邪魔していいですか?」
「いいわよ」
凛は自分の家のことそして教えのことなのでそれならと応えた。
「それじゃあその時はいつも私もね」
「ご一緒してくれますか」
「そうさせてもらうわ」
こう答えて実際にだった。
宏昌は時間があると凛に案内してもらって彼女の実家の教会に来た、凛の今の部屋は宏昌の家の近くなので丁度よかった。
それで毎週の様に待ち合わせをしたうえで一緒に教会に行き。
その中を見て回って参拝もして天理教のことを話してもらって彼女と一緒にいるとその距離も縮まり。
ある日宏昌は凛に天理教の本を借りてから言った。
「本当にお付き合いしていいですか?」
「えっ、それって」
「はい、これまでお芝居でしたが」
それがというのだ。
「僕天理教、おみちのことが好きになってきて」
「本格的に勉強したしてるわね」
「それで先輩も好きになりました」
「そうなの、それじゃあ」
「僕でいいですか?」
凛の目をじっと見て問うた。
「そうしていいですか?」
「ええ、実は私もね」
凛は宏昌に貌を赤くして答えた。
「最初からまんざらじゃなかったから」
「僕にですか」
「お願いしたし。おみちのこと好きになってくれたのよね」
「はい、とても」
「じゃあ私とお付き合いして」
「結婚して」
「この教会一緒にやっていく?」
宏昌を見上げて問うた。
「よかったら」
「僕の方こそお願いします」
「じゃあこれからはね」
「本当にお付き合いして下さい」
「こちらこそね」
笑顔で応えてだった。
二人は本格的な交際をはじめてだった。
天理教のことも真剣に学んでいってだ、やがて。
宏昌が教会長になり凛が奥さんとなり教会を切り盛りする様になった、お芝居からはじまった恋愛は本物となったのだった。
お芝居の彼氏から 完
2022・7・19
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