第3章 帰還編
第14話 謝罪
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上級魔導士たちへの報告を終えたアレンは、エルザ、ミラと共に、来賓用の部屋へ案内を受けていることろであった。
報告を終えた頃には、日も暮れ、すっかり夜となっていたため、評議院にて一泊してからギルドに帰ることになった。
そして、アレンは今、来賓用の部屋へ入り、案内をしてくれた評議員から説明を受けたところで、衝撃の事実に身動きを取れないでいた。…ケガで動きづらいのとは、また別の理由で、である。
時は少し遡り、上級魔導士との会議が終わった直後、尿意を催したアレンは、近くの評議院にトイレの場所を教えてもらい、用を足していたのだ。エルザとミラは平気だったため、トイレの入り口で待っていたところ、他の評議院から一泊してから帰ってはどうかという提案を受けたのだ。アレンの怪我が完治していないことに加え、何より自分たちも緊張と驚きで疲労が溜まっていたこともあり、その提案を受けることにしたのだ。
さて、問題はここからで、どうやら評議院における来客用の宿泊部屋は改装中のため、問題なく使用できるのは、2部屋しかないという内容であった。しかも、どちらの部屋もダブルベッドが一つずつしかないらしい。評議院は申し訳なさそうに、エルザとミラは同じベッドで…という風に話していたのだが、2人から予想外の返答が返ってきてしまう。…それがどのような返答であったのかは、エルザとミラがアレンに対してどんな心情を抱いているのかを考えれば、容易に想像ができよう。
そうして時間を現在に戻し、来賓用宿泊部屋。案内してくれた評議員が退出すると、エルザとミラはホッとしたように、ミラは椅子に腰かけ、エルザはベッドに腰かけた。そして、
「…おい、まさか3人同じ部屋…なのか?」
アレンは入り口の前で狼狽しながら、2人に声を掛けている。
「ん?何か問題があるのか?」
エルザはそんなアレンに悪びれもなく答えた。
「いや、ベッド、一つしかないし…」
「大きなベットだから、3人で寝ても大丈夫よ」
ミラが満面の笑みで答える。
そんな2人を見て、アレンはため息をついて部屋の中へ入る。
「あのなぁ、お前らにとって、俺は兄貴みたいなもんかもしれないけど、俺も一応男で、お前らも立派な大人の女性に、それもとびきりの美人になったんだから、男と一緒に寝るとか、控えた方がいいぞ」
アレンは叱るように言葉を発しながら、ミラと同じテーブルの椅子に腰かける。
「び、美人だと?そうか…ふふ」
「あ、ありがとう…」
2人は、とびきりの美人という言葉に、顔を真っ赤にして照れる。
「だ、だが、私たちもその、一緒に寝るとかそういうのを許すのはアレンだけだ…」
「他の男には、絶対に許したりしないわ」
「…ああ、そうなの?とにかく、気をつけろよ」
アレンは呆れたように呟くが、伝えたい趣旨が若干違っていたことに気付く。
「って
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