第3章 帰還編
第14話 謝罪
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
な…」
ギルダーツはアレンの言葉に軽く返事をするように答えると、アレンの方へゆっくりと歩きながら口を開く。
「影分身、分身魔法の中でも最上級に位置する魔法で、習得すら難しい高難度の魔法だ。自らの魔力を均等に分身に分け与え、数体の実体のある分身を作り出す。しかも、アレンが今やって見せたのは、それを超える多重影分身。並みの魔導士じゃまず、一生かかっても会得できねえ程のもんだ」
ギルダーツの言葉に、皆が固唾を呑む。
「おっさん、俺も分身魔法事態は知ってるが、普通はもっても精々1.2分が限界って聞くぜ。いくら多く分身できても、数分じゃ修行にならねえだろ。それに、実体ってのはどういう意味だ?」
ラクサスが、怪訝そうな雰囲気で言葉を発する。
「あー、そうじゃねーんだよ、ラクサス。確かに、おめーの言う通り、一般的に分身魔法は長くは保てねえ。一瞬相手を惑わせるか、本体が戦闘から離脱する目的で使われることが多い。だが、この影分身は自分の魔力を等倍に分け与えることで発動するんだ」
「それがなんだってんだ?」
ギルダーツの言葉に、いまいち納得がいっていないラクサスは更に質問を投げかける。ギルダーツはラクサスの声を受け止めながら、アレンの一体の影分身の肩にトンっと手をのせる。
「つまりだ、影分身てのは他の分身魔法と違い、アレン本体、若しくは分身自体が影分身の魔法を解かない限り、若しくは分身が許容範囲を超える攻撃を喰らったり、分け与えられた魔力を使い切らなければ、半永久的に存在し続けるってわけだ。実体があるってのは触れらるってだけじゃなく、そういう意味でもある」
ギルダーツの言葉に、皆がこれ以上にないといった様子で驚いている。
「そう、つまり、分身体とは言え、ほぼ本体と変わらない働きができるってわけだ。お前たち全員を同時に鍛え上げられると言った根拠がこれだ。それに…」
アレン本体は、自信満々にそう言って見せると、アレンの分身4体がミラの近くに向かっていく。そして、ミラを囲むように1人は顎に手をやり、一人は右側、一人は左側から抱き着き、最後の一人は後ろからミラを抱きしめる。
「こうやって、4人の俺でミラを愛でることもできるってわけだ」
「っ!?///」
4人のアレンに近寄られ、抱き着かれたミラは目を見開いて顔を真っ赤にする。そんな様子のミラと分身体アレン4人を見て、メンバー全員が顔を赤らめる。
「あ、ああ、あ…っ///…バタッ…」
「ちょ、おいミラ…っ!」
余りの恥ずかしさと幸福感に、ミラがプシューッと沸騰したかのように煙を出すと、分身体の一人に寄りかかる感じで気を失ってしまう。
「あー…ちょっかいだす相手間違えたか…」
アレンが頭を掻きながらははっと苦笑いをしている。一部の女性陣の鼻から、たらーっと鼻血が垂れる。
「(そ、そうか、これをアレン
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ