第3章 帰還編
第13話 評議院
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ます」
その言葉に、皆が目を細める。
「その、もう一つの手段とは?」
「…封印魔法、シールマジックの一つ。それも禁じられた封印魔法…『屍鬼封尽』なら、魔法が無効のアクノロギアに対しても、その魂を引きずりだし、半永久に封印できるでしょう」
その言葉に、上級魔導士やエルザ、ミラは首をかしげる。
「聞いたことのない魔法だな…」
オーグが顎に手を当てながら呟く。
「お、お主、一体その魔法をどこで…いやそんなことはどうでもよい!」
クロフォードが驚きながらも、威厳のある声で呟き、椅子から立ち上がる。
「お、お主はあの封印魔法がどのようなものであるのか、知っていてそれを口にしているのか?そもそも発動することすら…」
クロフォードは今までにない声でアレンに詰め寄る。
「ええ、承知の上で申し上げております。そして、発動に際しては、私であれば可能だと、申し上げておきます」
「い、一体どんな魔法なんだ、アレンっ!」
エルザが自分の知らない、それもクロフォードの様子から、尋常ではない魔法であることに、畏怖を覚えながらアレンに問いかける。だが、アレンはそんなエルザに見向きをせずにクロムフォードを見つめている。クロムフォードはアレンの目を見つめた後、瞼を閉じながら椅子に座り、ゆっくりと口を開く。
「…禁じられた封印魔法…屍鬼封尽とは、魔法の発動と共に死神を呼び出し、その力をもって相手の魂を肉体から引きずり出し、永久に死神の腹の中に封印するものだ。魔法とは名ばかりの呪われた封印術だ」
クロフォードの言葉に、皆が顔引きつらせる。
「し、死神…」
ミラが口を押えながら震える。
「だ、だが、それならば、はじめからその魔法を…」「ダメなのだ!!」
ホッグが驚きながらも言葉を発するが、クロフォードがそれを遮る。
「…この魔法は、相手だけでなく、魔法を発動したものの魂も死神の腹の中に封印される」
その言葉に、皆が冷や汗を流し、驚く。
「つ、つまり、命と引き換えの魔法…」
ベルノが小さく呟く。
「しかも、封印した者とされた者の魂はまとめて死神に喰われ、喰われた魂は決して成仏することなく、死神の腹の中で永遠に絡み合い、憎しみ合い、そして争い続けると言われておる…永遠にな」
余りの言葉に、皆の表情は、凍り付く。クロフォードは畏怖に苛まれながら、アレンに言葉をぶつける。
「お、お主は、それをすると申すのか。神も恐れる封印を…。死するだけではない、死んでもなお、絶望と憎しみに苛まれることになるという、あれを…」
「じょ、冗談じゃないぞ!おい、アレン、ふざけたことをいうな…そんな魔法…」
「だ、だめっ…」
エルザは今にも泣きだしそうな声を上げる。ミラは消え入るような目で、アレンの手を掴む。
アレンはそんな2人の様子を見て、微笑をもって2人の返事とした
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