第3章 帰還編
第13話 評議院
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でしょう?」
アレンが話の趣旨を変えようと、言葉を生む。
「…そうであったな。アクノロギアについて、色々とお聞きしたい」
「ああ、俺もアクノロギアについてあなた方にお伝えしたいことが山のようにあります」
アレンは、そういうと、アクノロギアとの戦闘で分かったことを淡々と話し始めた。
アクノロギアがまだ生きていること。アクノロギアはアレンの力では殺せないこと。殺せるのは滅竜魔導士かその力を持つもの。アレンにその力を習得するのは不可能なこと。
一つ一つが上級魔導士を驚かせるには十分であり、絶望に近い雰囲気が部屋を支配していた。
「そしてさらに…あいつにはすべての魔法が効きません」
「な、なんだと…」
「で、では…」
アレンの言葉に、上級魔導士たちは言葉を詰まらせる。
「そう、つまり、いくらエーテリオンを打ち込んだとしても、奴には傷一つ、ダメージ一つ与えることはできないというわけです」
衝撃であった。評議院がもつ武力の中でも最高の攻撃性能を持つエーテリオン。それが、魔法が効かないアクノロギアに対しては、全くの無意味であるということであったからだ。
「少し、不可解ですね。もし彼の竜に魔法が効かないのであれば、なぜあなたは殺せはしなくとも、撃退し、勝利を収めたのでしょう?」
ベルノがアレンに投げかけるように言葉を発した。
アレンはその問いに反応するように、太刀を一本換装した。その太刀を地面へと立たせ、言葉を発した。
「私の魔法は、ザ・ナイトという武具を換装させる魔法です」
「ああ、知っておる」
ホッグがその言葉に、短く答える。
「この魔法は、武具の出し入れの時にのみ魔力を使用します。取り出した武具は意識的に魔力を付加させないかぎり、魔力や魔法に一切関与しない、純粋な武具ということになります。よって、私がこれを振るって攻撃をするということは、単純に俺の膂力と武具の力ということです。お判りいただけますか?」
「ちょ、ちょっとまて、では、なにか?お主は刀と己の膂力のみでアクノロギアに傷を負わせ、倒したというのか?」
ミケロが狼狽しながら言葉を発した。驚きなんてものではない。魔力を魔法を使わずにあのアクノロギアを三天黒龍の一角と互角に、いや上回る戦いを繰り広げるなど、到底簡単に受け入れられることではなかった。しかし、評議院監視部隊の報告や、アクノロギアの頭を実際にアレンが断ち切った映像を見ていた上級魔導士は、その言葉を甘んじて受け入れるしかなかった。
「だが、先ほど言っていた通り、それほどの力を有するお主でも、アクノロギアの魂は滅することができないということだな」
ホッグが先ほどのアレンの話をかみ砕くように口を開く。
「ええ、それに関しては、これもお話した通り、滅竜の力を持つものにしか倒せません。ですが、最悪もう一つだけ手段があり
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