第3章 帰還編
第13話 評議院
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。そして、クロフォードの言葉に、真剣な面持ちで、そして威厳のある声で答えた。
「…それが、世界のためならば」
その言葉に、上級魔導士はまた呆気にとられる。これ以上に、これ以上に本物の男という言葉が似あうものは、今後現れることはないだろう。そう思わせるほどの覚悟と心情が伺い知れた。
「っと、かっこよく言って見せましたが、これは悪魔で最終手段です。アクノロギアに対抗できる滅竜魔導士の成長、そして修行や強化。それをもってしてもアクノロギアを滅することができなかった時の、いわば保険です」
先ほどまでの威厳のある声とは打って変わり、アレンは落ち着きを持った声でそう答えた。
しかし、皆の表情は硬いままであった。最悪の場合とはいうものの、つまりそれは、使う覚悟を持っているという意味に他ならなかったからだ。
「…さらに、もう一つお伝えしたいことがあります」
「…まだ、これ以上になにかあるのですか…」
ベルノ疲れ切った様子でアレンに言葉を変える。
「先ほど、アクノロギアに対抗できる力は、竜の力のみとお伝えしました。そして、最悪は屍鬼封尽と…」
「ああ」
ホッグが短く答える。
「今後、もし、アクノロギアと対峙する可能性のある魔導士に、今からお話しすることも含め、お伝え願いたい」
皆が固唾をのんでアレンの言葉を待つ。
「…アクノロギアの攻撃には、相手の魂を喰らう力があります」
「魂を喰らうだと?」
クロムフォードが怪訝な声でそう呟く。
「はい。滅竜魔導士が、同属性の魔法を喰らい、力を得ることはご存じでしょうか?アクノロギアは属性を持たないのですが、そんなアクノロギアは、魔法の全てに加え、魂をも喰らう。…もっとわかりやすく言えば、攻撃をした対象の命、寿命を削り取るということです」
その言葉に、皆の顔が再度引きつる。
「ちょっと待て、では、2度もアクノロギアと対峙し、傷を負ったお主は…?」
オーグが震えた声でアレンに問いかける。
エルザやミラも、それに気づき、瞳孔が開く。
「正確には、3回対峙をしております。その際、ご指摘の通り、寿命を削られております」
「…一体何年ほど削られた?」
クロフォードの言葉に、アレンは軽く笑って見せる。その笑いが一体何の笑いなのか、皆が理解できず、怪訝な表情を浮かべる。加えて、エルザやミラは、愛する男の寿命が削られていると知り、ひどく困惑していた。だが、アレンのその笑みが、決して楽観からくるものではないということを、皆がすぐに知ることになる。
「残念ながら、何年という桁ではなんですよ」
「な、なんだと…?」
オーグが困惑した表情を見せる。
「ざっと、20年…と言ったところですね」
アレンの言葉を聞き、その場にいるもの全員が動揺している様子がうかがえる。
「つまり、アクノロギアとの戦闘は、アクノロ
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