第3章 帰還編
第13話 評議院
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フェアリーテイルの医務室には、エルザとミラ、カグラが、椅子やベッドに腰かけていた。アレンが治療を受けて横になっていたベットも見られるが、そこにアレンは見当たらなかった。何やら重苦しい雰囲気を漂わせていた。
そんな雰囲気に、リオンとジェラールが先ほどまで心配して声を掛けてくれた。「何でも…ない」と絶対何かあっただろ、というような返答をしたものの、とりあえずそっとしておこうということで、先ほど医務室を出ていった。
暫くそんな雰囲気が医務室を支配していたが、エルザが口を開き、静寂を切り裂く。
「…アレンは、私たちを…その…」
小さく呟くように答えるが、その先を口にできず、黙りこくってしまった。
「嫌われちゃって…るのかな…」
ミラがポロッと涙を流す。
「…まさか、ラクサスにあんなことを言われるとは…」
カグラもどんよりとした様子で答える。よくよく考えてみれば、その前も、アレンと再会を果たした後、何度かアレンをどつきまわしていたことや、素直になれずに嫉妬心を巻き散らしていたことを思い出し、3人はさらに落ち込む。まあ、それに関してはアレンにも非があるのだが…。
「「「はぁ…」」」
3人がそんな様子で落ち込んでいると、医務室のドアがガチャッと開く。
「「「ア、アレン…ッ」」」
アレンが帰ってきたと思い、声を出すが。
「…ウルティア…」
「…何してんのよ、あんたら…ジェラールとリオンが心配してるわよ…」
エルザの声に、ウルティアがまったくといった感じで言葉を発した。
「私たち…アレンを…その…」
「お、お…」
エルザとミラが何とか説明しようとするが、言葉がつまり、中々言い出せない。
「はぁ?…なに?」
ウルティアは少し、イラッとしながら3人を見てめる。
「…怒らせてしまったかもしれない」
「…なにやらかしたの、あんたら」
カグラの言葉に、ため息をつきながら3人に問うた。
「い、いや…その、アレンがシャワーを浴びたいというから…」
「…私が一緒に入ってあげるって…」
エルザとミラが拙く答える。
「…はぁ?それで…まさかアレンに断られたの?」
ウルティアは、ラクサスがアレンを支えながらフェアリーテイルを出るのを見ていた。
それをみて、何か用でもあるのだろうとは思っていたが…。
「いや…ラクサスにいい加減にしろって…」
カグラが言いにくそうに答える。
「…それで?」
「アレンが…ひ、ひいてるのが分からないのかって…うぅ…」
ウルティアが催促すると、ミラジェーンが悲しそうに答えた。
「ああ、そういうことね…だからラクサスがアレンを連れて出ていったのね…」
ウルティアははぁとため息をつく。
「まあ、その、あなたたちの気持ちがわからんでもないけど、さすがに私でもそこまでズカズカ入り込んだりはしないわ…順序っても
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