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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第3章 帰還編
第12話 収束
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だけの装備が、再起不能と言えるほどにまで損傷している。一体どれほどの戦闘だったのか…。此度の戦闘で、アレンがどれほどの苦しみ、痛みを伴ったのか、推し量るに余りあるレベルであった。
そんなエルザの心境を察するかのように、ミラもぐっと拳を握りしめる。
アレンが帰ってきたら、今度こそ、何か力になってあげたい。そう思っていたのに、結局何もしてあげることができなかった。それどころか、また守られてしまった。それも、死の淵をさ迷うような重傷を負ってまで。天狼島から船で脱出したとき、ラクサスが悲痛のうちに語った言葉が、今もミラの心に刺さっている。いや、というよりも、あの場にいて、且つ昔からアレンのことを知っているもので、あの言葉が心に響かなかったものはいないだろう。
エルザも、ミラも互いに思いが同じであることが、逆に二人に会話という行為を弾ませなかった。
そんな様子で二人が黙りこくっていると、ウルティアとカグラが医務室に入ってくる。
「はあ、参ったわ…」
ミラとエルザの姿を見ると、ウルティアが疲れた様子で言葉を発した。
「どうしたの?」
ミラが短く質問をする。
「『アレンに会いたい』って連中が今日もわんさか、マグノリアの連中に、女連中、加えて王国からの使者までくる始末…まだアレンは目を覚まさないってのに…」
ウルティアがため息をつきながら、ミラの横に座る。
「…何より腹立たしいのは、評議院の連中が来ること」
カグラが怒りを込めて言葉を放つ。
「今日も来たのね…」
ミラは呆れた様子で答えた。
評議院が4年前、アレンを巻き込む形でエーテリオンを打ち込んだことは、皆様々な思いがあれど、責めてもしょうがない…と割り切っていた者も多かった。しかし、今回の一件で、評議院に反省の色なしとフェアリーテイル全員から見なされてしまい、当たりが強くなっているのだ。
ナツなんかは、いつ手が出てもおかしくない状況であり、評議院が来るたびに、皆ひやひやものである。
「だが、毎日、日によっては数回、足蹴もなく来るということは、申し訳ないという気持ちがあるのではないか?」
エルザがそう擁護すると、
「どうだか…。謝罪して、体裁だけ整えておこうって腹じゃないの?実際、毎日来ましたって証拠だけ残して…、本心じゃどう思ってんだか」
ウルティアがそう悪態をついていると、思わぬ声が4人の耳に入る。
「…まあそういってやるな、奴らにも、奴らの正義がある」
その声に、4人は目を見開いて、声のする方へと視線を向ける。
「っ!アレン!!目を覚ましたの?」
ミラが目尻に涙を浮かべながら、声を掛ける。
ウルティア、カグラ、エルザも同じように、覗き込むようにしてアレンを見つめる。
「しっかし、病人の前で愚痴に悪口とは、とんだ悪女だな…」
アレンは4人を見つめながら、軽口を叩く
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