第2章 天狼島編
第11話 メイビス
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や船首から天狼島を見ようとする。絶句する。
天狼樹は完全に根元から折れ、しかも折れた天狼樹がいくつもの残骸となり、海へと浮かんでいる。元は一つの島であったはずの大地が、粉々に砕け散っている部分も見て取れ、島は大きく5つほどに分断されていた。
「な、なあ、あれ…天狼島…だよな?」
「なんて…ことだ…」
ビックスローが途切れ途切れに口を開く。
その言葉に呼応するように、カグラが答える。
だが、それ以上に深刻なものを発見した者がいた。
「おい、島の真ん中あたりを見ろ!!」
グレイがそう告げると、天狼島であったと思われる島の真ん中あたりを見渡す。
「おい、ありゃ…穴…か?」
「こんなの…ありえない…」
エルフマンとエバが、吹けば消えるような言葉で答える。
皆の顔に驚きが、これでもかというくらいに浮かび上がっている。
「っ!あの大穴の傍に停めてくれぃ!!」
マカロフがイブに伝え、クリスティーナは大穴のある近くへと着陸した。
皆がその大穴の近くに降り立ち、最初に感じたものは、底知れぬ恐怖だった。
大穴の大きさは、直径およそ50mほど。加えて、大穴の遥か下から、言葉では言い表せないほどの禍々しいほどの魔力を感じとったからだ。
大穴を覗き込むが、穴の底は見えない。
「おい、これ、一体どこまで続いているんだ…」
「…まじか…」
ワカバとマカオが物珍しそうに大穴を眺めている中、大穴の傍を中心に皆がアレンの名を呼び、探し始める。
穴の周りを調べているうちに、あるものを見つける。
それを最初に見つけたエルザは、言葉を失い、呆然と立ち尽くす。そんな様子を見たラクサスが、声を掛ける。
「おい、どうしたエルザ、ボーッとして…ッ!」
そこには、刀身の真ん中部分からポッキリと折れ、何とか大穴から落ちない位置に鎮座する太刀があった。遠目で見てもわかるほどのヒビや刃こぼれが見える。加えて汚れもひどく、血の汚れの上にさらに血を塗りたくったような様相であった。
そんな風にエルザとラクサスが呆気に取られていると、ハッピーとナツが大声でこちらに呼びかけてきた。
「おーい、アレンの刀の先っちょ見つけたぞー!」
ナツは刀身の峰部分を持ちながら、エルザ達の方へと駆ける。
皆がその声に反応し、エルザ達の元へと集まる。地面に落ちているもう片方の太刀を見て、絶句する。
「お、おい…こいつは…アレンの…」
「ナツが持ってる刀の片割れ…だよね…」
ガジルとレヴィが言いにくそうに口を開く。
「こ、この、位置に落ちてるってことは…」
「そ、そんな…まさか…」
カグラとミラが目に涙を浮かべながら答える。
「穴に…落ちた…のか…」
カナが震えた声で小さく呟く。
それを聞いて、エルザが膝から崩れ落ちる。
「おい、エルザ…」
ラクサスがエルザを支える
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