第2章 天狼島編
第10話 vsアクノロギア
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ひたすらに、空を見つめている。
そんな雰囲気を壊す怒号が後方の家屋から聞こえる。
「ふざけるなーっ!!!」
既に避難した住民の家屋をかり、評議員や王宮と連絡を取っていたマカロフの声であった。
その声を聴き、皆が振り返る。
「なんだ?なにかあったのか?」
「さあな」
グレイとナツが軽く会話をする。
その直後、家屋からマカロフが出てくる。
「マスター、何かあったのか?」
カグラが怪訝そうにマカロフに声を掛ける。
「…奴らが…評議員の奴らが天狼島に…エ、エーテリオンを投下すると…決定しおった」
皆の顔に、衝撃が走る。そして、すぐにその表情は怒りへと変わっていく。
「しょ、正気ですか!マスター!!」
エルザが震えるように声を上げる。
「また、打ち込むのか…アレンの…もとに…」
リオンが拳を握りしめる。
「まじかよ…」
グレイが息を漏らすように告げる。
「そんな…」
ミラはそう言い残すと、フラッと体勢を崩す。
「ミラ姉っ!」
倒れこむミラを、リサーナが受け止める。
「選択肢としては候補にあがるだろうが…選ぶなよ…」
ラクサスが怒りを含め、ゆっくりと言葉を発した。
「…じゃが、王国側が…国王陛下とヒスイ王女が事前に評議員にエーテリオンの使用を控えるよう、取り合ってくれていたようじゃ」
その言葉を聞き、皆の顔に光が戻る。
「それじゃあ…」
ウルティアが言葉を続けようとしたが、マカロフに遮られる。
「じゃが、それでも評議員の決定は覆らなかった…」
「なんだよ!意味ねーじゃねーか!!」
ナツが天を衝かんばかりに叫ぶ。
「…いや、意味ならある」
「…評議員が何か条件を受け入れたのか?」
ジェラールが静かにマカロフに答えた。
「ああ、評議員はすぐにでも撃ち込む算段だったが、王国側の要求もあり、日没直前まで猶予すると決着した。王国側も、それ以上は要求できんかったんじゃろう」
「あと4時間…撃つことに変わりねえなら、なんの保険にもなりゃしねー」
ガジルが悪態をつく。
ナツが無言でその場を離れようとする。
「どこへ行く気じゃ、ナツ」
マカロフが止めるように声を掛ける。
「決まってんだろ。評議員に乗り込んで、止めさせんだよ」
「今から行っても、評議員の場所まで5時間はかかる。無駄足じゃ」
エルザが、首から下げた、マカロフから預かっていたペンダントを眺める。評議員などとの連絡の際に、常にアレンの様子を把握できるよう、エルザが預かっていたのだ。
先ほどから、少しずつではあるが、光が弱まりを見せている。光量は輝いていた時と比べると、半分ほどにまで落としている。
「アレン…」
アレンが消耗しているのは明らかであった。
エルザの一言に、横からペンダントを覗き込んで確認している者も含め、強く顔しかめた。
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