第2章 天狼島編
第10話 vsアクノロギア
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「ですが、その決定に従い、投下を静観していたのは事実」
「お、王女様…」
ヒスイ王女がゆっくりと瞼を閉じる。
「…過去の失態を悔やんでいる暇は、今はありません。我々は、我々にできることを…ダートン…」
「…、承知いたしました」
ダートンは王女の言葉を受け、非常事態宣言を発令する。
ハルジオン並びに近辺の街や村の避難勧告。全魔導士ギルドに対し、協力要請。王国兵による救助活動や、評議会との連携を図るなど、対策を講じ始めた。
フェアリーテイルのメンバーがハルジオンの港についてすぐのこと。
耳を劈くような轟音に荒れ狂う暴風。更には高潮まで発生し、港町ハルジオンは甚大な被害を受けていた。
轟音は港町の人々に恐怖を与え、暴風は家屋をなぎ倒し、海水が街を飲み込んでいく。
フェアリーテイルのメンバーは、ハルジオンの人々と共に、比較的被害の少ない街の北方へと避難する。現状、この場所は大きな被害を被っていない。天狼島の方角の空を眺める。
赤黒い雷が間隔をあけて発生している。それに合わせ、轟音と衝撃ともいえる暴風も収まることがない。
マスターは、連絡用ラクリマを用いて、評議会と王国に報告をしている。ミラも同じく、フェアリーテイルに連絡を取り、状況を説明していた。
時を同じくして、マグノリアの街にも天狼島の余波が届いていた。不気味な風に、時折襲う突風。外に備え付けてある荷車や、小物が飛ばされてゆく。加えて、ゴオッといった不快な音も響いていた。町の住民は、一段と黒い南方の空を見上げ、不安な様子で状況を見守っていた。
フェアリーテイルにいるマカオは、ミラの報告を受け、信じられない様子で声を張り上げている。周りにいるものも、驚いた様子でミラの言葉を聞いていた。
最終的には、ミラたち天狼島組はハルジオンで戦いの行方を見届け、落ち着きを見せたら再び天狼島へ行き、アレンを救出。残存組は、マグノリアの街の巡回。必要に応じて援助を行うことで、話し合いは着地した。
連絡用ラクリマの接続が切れると、ジェットが苦悶の表情を見せる。
「くそっ!あの花が光りだしたから、アレンが生きてたってさっきまで皆で喜んでたのに…」
「アレンが…俺たちが、一体何したっていうんだ!」
マックスが机を叩いて怒りを露にする。
ガタンッとマカオが勢いよく立ち上がる。
「そんなこと言っててもしょうがねーだろっ!とりあえず、ミラに言われた通り、街に出るぞっ!」
マカオの言葉を聞き、数名のメンバーを残し、街へ繰り出した。
アレンとアクノロギアが戦闘を開始し、すでに5時間が経過していた。両者一歩も引かぬ戦いで、血で血を洗う、壮絶な戦いが繰り広げられていた。
両者が激突するたびに、大気は震え、衝撃を生み出す。圧倒的な力のぶつかり合いは気候をもゆがめ、天狼島上空には赤黒い雷が発生し
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