第2章 天狼島編
第6話 vsハデス
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な、こんな魔力は…感じたことがない…」
エルザは自身の身体が震えていることに、驚きを隠せなかった。これまでも強い敵というのは多々遭遇してきた。だが、それとは比べ物にならない、根源的な恐怖。頭で制御しようと、身体が屈してしまっていたのだ。
それは他の者も変わらず、あのラクサスですら、震えるとまではいかずとも、身動き一つとれないでいる。
「う、うそでしょ、まだ、どんどん増殖していく…」
ルーシィが信じられないような表情で叫ぶ。
「魔道の深淵…」
カグラが呟く。
「こんなことが…」
リオンが息を漏らす。
「なんて魔力なんだ…」
ジェラールが続けざまに言う。
「あ、ああ…」
ウルティアが恐怖で怯える。
「か、身体が…勝手に震えやがる…」
ナツが苦しそうに口を開く。
「魔の道を進むとは、深き闇の底へと沈むこと…その先に見つけたるは深淵に輝く一なる魔法…」
ハデスは両手を広げ、構える。
「な、なんだ、あの構えは…」
ラクサスが震えるように呟く。
アレンを見る。あれだけのオーラ、魔力を浴びても、アレンは気にも留めぬ様子で立っている。まるで、ハデスの一手を待っているかのように。
(大丈夫なんだよな…信じて、いいんだよな、アレン…)
ラクサスは、祈るようにしてアレンを見つめる。
「ゼレフ書第四章一二節より裏魔法!天罰!!」
ゼレフがそう叫ぶと、床に散らばった瓦礫から、禍々しいオーラが体現する。それは様々な、そう悪魔のような姿を形作り、怪物を生み出してゆく。
――ぐおおおおおおおおおおお!!!
「ば、ばかな…瓦礫から化け物を作ってるのか!」
ジェラールが叫ぶ。
「「ひっ…、うっ…」」
ルーシィとウェンディは戦意喪失したように、呻き声をあげることしかできない。
「はっ、はっ…一体、一体が、なんて絶望的な魔力を帯びているんだ…」
瓦礫から作られた化け物…悪魔は10体程度。黒い身体で形成され、大きな口を携えている。
エルザが、絞り出したように呟く。自らの手を見る。先ほどよりも震えが大きくなる。
(わ、わたしが、恐怖で、怯えている…身体が動かない…)
エルザは、ふと左右を向く。
カグラも、ウルティアも、恐怖で涙を浮かべている。普段ならありえないことだ。だが、私も、少しでも気を抜けば、恐怖で涙がでることが自分でもわかる。
ナツやグレイ、ジェラールにリオンも恐怖で目の焦点が合っていない。
ウェンディとルーシィに至っては、手で顔を覆い隠している。目にするのも恐ろしいといった様子であった。
「どうだ。アレンよ。これが裏魔法、深淵に輝く一なる魔法よ…うぬ如き小童に、立ち向かう勇気があるかな?」
アレンはハデスと、黒き化け物を見つめる。そして、はあ、と深いため息をつく。
「なるほど、その一なる魔法ってのが、と
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