第2章 天狼島編
第5話 再会
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「アレン」
カナは小さな声でアレンを呼び止めた。そんな声をアレンはきちんと聞き取り、振り返る。
「今度は、ちゃんと、はやく帰ってきてよ…」
そんなカナの言葉に、アレンは目を見開きながら、
「ああ、約束しよう」
そう言い残し、アレンはナツ達のもとへと向かった。
それを見送ると、カナは横になっているミラを見て、ふふっと笑った。
「どうしたの?カナ?」
レヴィが不思議そうに問いかける。
「ん?いや、ミラが後から知ったら、「アレンが帰ってきた瞬間に寝てたなんて…」って悔しがるだろーな、と思ってさ」
それを聞いたレヴィも、ふふっと笑い、「そうだね」と答えた。
「でも、それ以上に喜ぶと思うよ、ミラ姉は…」
リサーナが続けていった。
「ミラだけじゃない、ナツも、エルザも、皆、アホ面さらして喜ぶだろうな…」
「それ、さっきまでアレンに抱き着いて、ぎゃんぎゃん泣いてたお前が言うことかよ」
ビックスローがカナをからかうようにケラケラと笑いながら挑発した。
「なっ!うるせー!お前も少し泣いてただろうが!」
カナが照れを隠すように声をあげる。
「ふっ、アレンのことを知っているギルドの仲間で、アレンが戻ってきて泣いて喜ばないやつがいるものか」
フリードがそう呟くと、皆が爆発したように喜びを分かち合うように笑い、そして涙をぬぐった。
ハデスとの戦いは、ラクサスの参戦により、戦局が大きく変わっていた。先の先頭によるダメージがないラクサスは、1対1でハデスと壮絶な戦いを繰り広げていた。
そんな戦いの様子を見ていたナツたちは、バトルオブフェアリーテイルの時のラクサスとは比べ物にならない強さに、驚きを隠しきれなかった。
しかし、やはり実力はハデスの方が上。圧倒的なスピードで戦いを繰り広げていた両者であったが、ついに、ラクサスが片膝をついてしまう。
「おやおや、どうしたね。大口を叩いた割には、膝を着くのが早すぎぬではないか」
「ラクサス!」
ナツが心配そうに叫ぶ。
「あいつ、まさか…」
エルザはラクサスの様子をから、あることに気付く。
「さっきの魔法を喰らっていたんだ…」
カグラが苦虫を噛んだような表情を浮かべた。
先ほどハデスが放った天照式の強力な魔法を、避けきれず、喰らっていたのだ。
「はぁ、はぁ…世界ってのは、本当に広い…アレンもそうだが、こんな強いやつがいるとは…俺も、まだまだ…だな」
ラクサスは悟ったように呟く。
「何言ってんだよー」
「しっかりするんだ!」
「そうだ、しっかりしろよラクサス!」
ナツ、ジェラール、グレイが鼓舞する。
「やってくれたのう、ラクサスとやら。だが、それもここまで、うぬはもう、消えよ!!」
紫と黒を足したような、禍々しい魔力が、ラクサスを飲み込まんと迫る。
「立て!ラクサス!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ