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銀河を漂うタンザナイト
第7次イゼルローン要塞攻防戦B
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は既に叛乱軍によって制圧された模様。その司令官ヤン少将の名で降伏勧告を出しています!」
「…………」
「また、それが嫌なら撤退せよ。追撃はしないとの事です…」
「閣下、どうなさいますか?」

ゼークトは無言のまま、スクリーンのひとつを見つめている。そこには虚空に浮かぶ要塞が映っていた。

「降伏だと…」

ゼークトは血走った目で要塞を凝視した。

「冗談ではない!我々は誇り高き帝国軍人だ。要塞を失い敗北した上で、なお生き恥をさらせと言うのか?」

ゼークトは軍靴で床を蹴る。おめおめと敵の策にはまり、要塞を失って、艦隊にも大損害を出しながら敗軍の将として皇帝陛下に見えるなど、彼には不可能だった。彼は自分にとっての最後の名誉は玉砕のみと頭から信じ込んでいた。

「しかし、このままでは全滅します。どうかご再考を……」
「くどいぞ!」

ゼークトは再考を求めるパウルス参謀長を一喝すると、通信手に向けて返信を命じる。
が、その内容を聞いた通信手は見る見るうちに顔を青ざめさせる。
「閣下、これは……」
「黙れ、口を開くな!」
ゼークトは怒鳴りつけ、送信するように命じた後に艦橋内を見回す。
「貴様らは何をしている?もはやこの期に及んで命を惜しむものなどおるまいな?」
その言葉を受けて、艦橋にいた全員が勢いに気おされ、一斉にうなずいた。



「敵艦隊より返信」
「内容は?」
「は…、汝は武人の心を弁えず、吾、死して名誉を全うするの道を知る、生きて汚辱に塗れるの道を知らず。このうえは全艦突撃して玉砕し、もって皇帝陛下の恩顧にむくいるあるのみ…、との事です」
「武人の心だって?」

通信文を読んだヤンの声色に苦々しい怒りが浮かぶ。

(冗談じゃない、こんな奴がいるからいつまでたっても戦争が終わらないんだ)

ヤンに言わせれば敗戦を自らの死を持って償うのはいいが、何故自分一人で死なずに部下を道連れにするのか。これこそヤンが最も軽蔑し、怒りを覚える行為であった。

「敵艦隊、全艦突撃してきます!!」
「砲手、敵旗艦を識別できるなら、集中的にそれを狙え!」

オペレーターの報告を受け、ヤンが指示を下す。その命令は日ごろの彼にしては珍しくかなり鋭い口調で下された。彼の幕僚たちが驚きの表情を浮かべてヤンを見る。

「これが最後の砲撃だ。旗艦を失えば残存艦艇は退却するだろう」
「わかりました」

オペレーターが要塞主砲の照準システムを操作する。

「照準良し、何時でも撃てます」

帝国軍艦艇が次々と発砲するが、その攻撃は一つとして効果を挙げなかった。
その間に照準は完ぺきに合わされたが、その時に1隻の脱出シャトルが旗艦ヴァナヘイム艦尾から射出されたが、だれも気付かなかった。そして要塞主
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