吠え猛る山
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に、龍騎もまた両手を前に突き出し、そこから姿勢を低くし、頭上を舞う赤き龍へ舞を捧げる。
そこからジャンプし、高いところからキックをするのが龍騎の必殺技、ドラゴンライダーキック。
だが今回、龍騎の頭上にはゴーヤベックの巨大な顎が傘となった。
しかし、そんなもので龍騎は止まらない。龍の咆哮とともに、龍騎は上昇していく。炎の拳とともにゴーヤベックの顎を砕き、貫いていく。
そして。
「はああああああああっ!」
龍騎は体を捻らせ、ゴーヤベックへ足を向けた。さらに、回転を続けるドラグレッダーもまた、その大口を龍騎の背中に沿わせる。
「だああああああああっ!」
ドラグレッダーの口から吐かれる炎が、龍騎の体を包んでいく。右足に集約していく炎とともに、赤き龍もともにゴーヤベックへ突き進む。
人馬一体ならぬ、人龍一体となった龍騎の必殺技、ドラゴンライダーキック。
それを飲み込んだゴーヤベック。だが、これまで逃げられたものがいない龍の蹴りが、岩石の牢獄程度で防ぎきれるはずがない。
ゴーヤベックの閉じた口から、炎が溢れ出す。それは、口どころかゴーヤベックの全身から噴き出ていく。
やがて、山を思わせる怪物は、その体を火山と化す。
爆発とともに噴火を思わせる火柱が見滝原山にそびえたち、無数の燃える岩石が降り注いでいく。
そして、その中に立つのは。
勝利の咆哮を上げるドラグレッダーを従えた、鏡の仮面騎士龍騎。
誰もいない山道。
できたばかりの獣道を下り、アカネはようやくたどり着いた。
「ムーンキャンサー……!」
ようやく見つけた。
トレギアに唆されて召喚した第二のサーヴァント。それは、疲れ果てたかのように触手を地面に投げ出し、その体も力なくへこたれている。
その軟体生物を思わせる体を投げ出し、ミイラのように乾こうとしている。
「ムーンキャンサーっ!」
アカネはムーンキャンサーの頭に触れた。
柔らかい手触りに心地よさを感じながら、ムーンキャンサーの顔を持ち上げる。
抵抗することもなく、ムーンキャンサーは顔をアカネに動かされていく。そのつぶらな瞳は、何を考えているのか分からない。
ムーンキャンサーの顔を胸に抱き留めたアカネ。
ムーンキャンサーは数回その頭部でアカネの体を撫でていく。やがて鎌首を持ち上げたムーンキャンサーは、その体を浮かせていく。
やがて、ボコッボコッと、その体が変化していく。
肩の部分が震え、そこからそれぞれのパーツが生成されていく。夕日に照らされたムーンキャンサー。その半透明な体は、太陽の光をプリズム状に反射させ、虹色の美しさを見せていく。
触手を広げ、より大きく見せていくその体に、アカネは思わずため息をつ
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