クラス対抗戦
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白式』の機動性なら、認知される前に離脱することが可能のはずです。とにかく常に動き回って相手に攻撃されるかも、という意識を植え付けてください。そうすれば後は最終日と同じですよ」
『わ、分かった! やってみる!』
「ただしこれは今の段階で分かっていることです。隠された能力もあるかもしれませんからお気をつけて」
『了解だ!』
通信を終えて再び画面に目をやると私のアドバイスを早速生かして戦い始めていた。フェイントを入れたり、後ろに回り込んだり、高速で旋回したりととにかく引っ掻き回す戦法を取っています。『白式』の機動力があればこそ、ですね。
それ以降は明らかに凰さんの撃つ場所がずれています。これならあの射撃はもう当たらないでしょう。意識の外って結構難しいと思うんですけど、これも一夏さんの才能でしょうか?
ただやはり決定打がありません。近づけないんです。
凰さんは時折接近戦を行ってきますがそれもほとんど反撃されないタイミングで切りかかってくるし、反撃しようとするとやはり間合いの外に出て衝撃砲を撃つ。
「消耗戦ですわね」
「ああ、長引きそうだ」
「はい」
お二人の言うとおり、消耗戦になれば『白式』は特性のせいで不利です。そうなれば……
「いや、そうでもないぞ」
「「「え?」」」
私たち三人の言葉を織斑先生が否定しました。
「織斑君、何かするつもりですね」
ずっと画面を見ている山田先生が呟きました。一夏さんは先ほどの戦法を取りつつも一定の距離を保とうとしています。
私たちとの訓練の時あんな動きしませんでしたよ?
何故そんな動きをするのか考えていると、その疑問に織斑先生が答えてくれました。
「瞬時加速(イグニッション・ブースト)だろう。私が教えた」
「瞬時加速?」
ええっと、確か本国で訓練しているとき聞いたような……
「一瞬でトップスピードを出し、敵に接近する奇襲攻撃だ。出しどころさえ間違わなければあいつでも代表候補生と渡り合える。ただし……通用するのは一回だけだ」
「あっ!」
思い出しました。確か後部スラスター翼からエネルギーを放出、それを内部に再度取り込み、それを圧縮して放出することで、一瞬で最高速へと到達する加速方法。
なるほど、『雪片弐型』のバリア無効化攻撃を確実に当てるための『瞬時加速』。
決まれば必殺の組み合わせですけど、一度でも失敗すると相手にそれを警戒させてしまいます。絶妙な距離と相手の次の動きを読めていないと出来ない芸当ですね。
それこそ動物的勘と言い換えてもいいくらいに。
しばらくは回避に徹していた一夏さんがアリーナの地面ギリギリを旋回し始めます。外れた衝撃砲の弾丸が地面に当た
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